SFLC、「GPL利用が5ポイント減」とするBlack Duckに異論を唱える
米Black Duck Softwareが先に発表したオープンソースプロジェクトの採用ライセンス動向について、オープンソース支援法律センターSoftware Freedom Law Center(SFLC)が異論を唱えている。Black Duckが「収集したデータや統計に利用したソフトウェアのソースコードを開示しない限り、このレポートは意味がない」と主張している。
Black Duckは6月30日、オープンソースライセンスの利用について、上位10ライセンスとその比率を発表した。それによると、GPL全体の比率は、前年の70%から5ポイント減少した65%となり、米Microsoftの「Microsoft Public License」は初のトップ10入りを果たしている。
これに対し、SFLCのAaron Williamson氏は7月6日付けでブログに異論を唱えた。フリーソフトウェアのライセンス分析は潜在的に難しく、統計と分析に用いたメソドロジーの開示なしには信頼できないという。
Williamson氏はオープンソースライセンスの集計が難しい理由について、オープンソースプロジェクトの多くが、中央でホスティングされているサービスやプロジェクトサイトを越えて分散していること、開発者がコードにライセンスを採用する方法が一貫していないこと、変種が無数に存在することなどを挙げている。ライセンスの利用をカタログ化することは難しい上、ライセンスの許容度によっても収集できる範囲が異なるという。
また、Black Duckはこの1年の間にデータセットを変更し、全体の7.5%にあたる300のサイトを新たに巡回しているが、同社の顧客でない場合は、これらが最新のデータにどのような影響を与えているのかがわからない、とも記している。
このようなことから、Williamson氏はBlack Duckに対し、分析に用いたソフトウェアをフリーソフトウェアライセンスの下で開示するよう求めている。でなければ、信頼できる数値とはいえないと主張している。
Software Freedom Law Center(SFLC)
http://www.softwarefreedom.org/