さまざまなファイル形式やISOイメージファイルの動画再生ができる「SMPlayer」の使い方

 「SMPlayer」は、オープンソースの動画/音声再生ソフトウェア「MPlayer」をベースに、使いやすいインターフェイスが備えられたマルチメディアプレーヤーです。メニューなどはすべて日本語化されており、日本語環境でも快適に利用できるほか、内蔵コーデックを使用するためシステムを汚さず、軽量に動作する、といった特徴を備えています。

 また、多くの動画/音声ファイル形式やコンテナに対応しており、再生に必要なコーデック等はすべてインストーラからインストール可能です。また、DVDビデオなどのISOイメージファイルを直接再生できる機能も備えています。

マルチメディアプレーヤー「SMPlayer」
SMPlayerが対応する動画/音声ファイル形式
コーデック/メディア/フォーマット 対応形式
動画コーデック 3ivx、Cinepak、DivX、DV、H.263、H.264/MPEG-4 AVC、HuffYUV、Indeo、MJPEG、MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、RealVideo、Sorenson、Theora、WMV、XviD
音声コーデック AAC、AC3、ALAC、AMR、FLAC、MP3、RealAudio、Shorten、Speex、Vorbis、WMA
コンテナ(ファイル形式) 3GPP(3GP)、ASF(WMV/WMA)、AVI、FLV、ISO(ビデオCDおよびDVDビデオ)、Matroska(MKV/MKA)、MOV、MP4、NUT、Ogg、OGM、RealMedia(RM)、VIDEO_TS/AUDIO_TS
物理メディア CD、DVDビデオ、ビデオCD

SMPlayerのインストール

 SMPlayerは、SourceForge.JPのダウンロードページなどからダウンロードできます。Windows版とLinux版が用意されていますが、Windows版のインストーラは「smplayer_<バージョン番号>_setup.exe」になります。途中でインストールするコンポーネントを選択できますが、ここで「Optional Codes」を選択することでRealVideoなどマイナーなコンポーネントの再生にも対応できるようになりますので、チェックを入れておくと良いでしょう。

SMPlayerのインストール

「smplayer_<バージョン番号>_setup.exe」がWindows用インストーラだ
ダウンロードしたインストーラを実行する
インストールは基本的には「Next」をクリックしていけばOK
ライセンスが表示されるので「I accept the terms of the License Agreement」にチェックを入れて「Next」をクリック
コンポーネントを選択する画面では、「Optional Codes」にチェックを入れておく
インストール先を指定する。通常はデフォルトのままでOKだろう
インストールが完了したら「Finish」でインストーラを終了できる

SMPlayerの基本機能

 SMPlayerでは、ウィンドウ上下に配されたツールバーからファイルを開いたり、再生/停止、シーク、音量調節といった操作が行えます。また、「再生」や「ビデオ」、「オーディオ」、といったメニュー項目からはより詳細な操作や設定が可能です。

「再生」メニューでは再生/一時停止/停止などの操作のほか、コマ送りや10秒/1分/10分進める、といった操作も可能。「速度」で再生速度の調整もできる
「ビデオ」メニューでは画面表示や拡大/縮小表示、アスペクト比の変更、イコライザなどの設定が行える
「オーディオ」メニューでは映像と音声の位置ズレや音量が調整できるほか、フィルターやイコライザーなどの設定も可能
「字幕」メニューでは字幕の表示/非表示やサイズなどの設定が行える
DVDビデオなど、タイトルやチャプターが設定された動画の場合、「参照」メニューでタイトルやチャプターへの移動が可能
関連付けや細かい環境設定は「オプション」メニューで行う

ファイルの関連付けやキーボードショートカットは自由に設定可能

 SMPlayerでは、「環境設定」の「キーボードとマウス」画面で自由にキーボードショートカットを設定することが可能です。また、「ファイルの種類」画面では指定した拡張子への関連付けが行えます。

「環境設定」ウィンドウの「キーボードとマウス」では、キーボードショートカットの変更や、マウスの各ボタン/ホイールへの機能の割り当てが設定できる
「ファイルの種類」では指定した拡張子のファイルについて関連づけの設定が可能だ

DVDビデオのISOイメージを直接再生できる

 SMPlayerの特徴の1つに、リッピングしたDVDビデオのISOイメージを直接開いて再生できる点があります。「開く」-「ファイル」メニューでISOイメージを選択でき、通常のDVDビデオとまったく同様に再生することが可能です。

DVDビデオのISOイメージを再生する

「開く」-「ファイル」メニューをクリック
「ファイルの選択」ではISOイメージ(拡張子は.iso)を選択できる
一般的なDVDビデオとまったく同様に再生できる

複数のウィンドウを開いている場合に便利な「コンパクト」モード

 「ビデオ」メニューの「コンパクト モード」を選択すると、ツールバーやメニューバーがすべて非表示となり、動画だけが表示されるコンパクトモードになります。また、「全画面表示」を選択すれば全画面での動画の表示も可能です。これらのモードでも、画面を右クリックするとメニューが表示されてSMPlayerの全機能にアクセスが可能です。

「コンパクト モード」ではメニューやステータスバーなどを非表示にできる
コンパクト モードでも右クリックでメニューにアクセスできる

 SMPlayerは高機能ながら使い勝手の良いインターフェイスを備えており、また動作も比較的軽量です。DVDビデオの再生などにも対応しており、またインストール時に余計なシステムの設定変更なども行わない点も高評価です。メインのマルチメディアプレーヤーとしても、またほかのマルチメディアプレーヤーを補うサブプレーヤーとしても有用なソフトウェアと言えるでしょう。

今回紹介したツール:SMPlayer