JAXAの新スパコンが本格稼働、国内トップの実行性能110.6TFLOPSを達成

 富士通は2009年4月2日、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)から受注した新スーパーコンピュータの構築が終了し、4月1日から本格稼働を開始したと発表した。LINPACKベンチマークでは実行性能110.6TFLOPSを達成し、スパコンの世界ランキング「TOP500」(2008年11月現在)で国内1位、世界17位にあたる。

 LINPACKベンチマークの実行効率(理論性能に対する実行性能の比)は、3008ノード(3008CPU、1万2032コア)の計算で、実行効率91.19%。実行時間は60時間40分で、ともに世界1位という。HPC向けミドルウェア「Parallelnavi」や高性能コンパイラなどによって実行効率を飛躍的に高めた。

 システムは自社開発の最新クアッドコアCPU「SPARC64VII」とチップセットを搭載したHPCサーバ「FX1」をベースに構築。通信経路上で通信データに対して演算を行うことができるノード間ネットワーク「高機能インターコネクト」を活用した。また、数値シミュレーションのためのベクトル計算機やスカラSMP計算機など複数のサブシステムを設け、利用目的に応じて効率的な計算が可能という。

 総ノード数は3392ノード(うち、メインシステム演算ノードは3008ノード)。総メモリ容量は100TB(テラバイト)、総ストレージ容量は11PB(ペタバイト)。次期基幹ロケット、宇宙輸送システム、国産航空機などの開発に活用される。構築費用は110億円。なお、搭載OSは公表していない。

FX1
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富士通
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JAXA
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