海洋研究開発機構、「地球シミュレータ」を性能2倍の後継システムに更新

 独立行政法人海洋研究開発機構は2008年5月12日、地球規模の温暖化など気象シミュレーションに利用しているスーパーコンピューター「地球シミュレータ」を新システムに更新すると発表した。現行システムの2倍の計算能力とする計画で、2009年3月から運用開始する予定。

 後継システムの選定は一般競争入札で行い、現行システムを手がけたNECが今回も落札した。落札額は約190億円。NEC製のベクトル型コンピュータ「SX-9」をカスタマイズして160台(1280コア)のマルチノードを構成。ピーク性能は131TFLOPSで、アプリケーション実効性能が現行機の2倍になるという。OSは、UNIX系の「SUPER-UX」を採用する。主記憶容量は20TB。

 地球規模の環境変動に伴う現象の解明や将来予測を行い、現行システムでは実行困難な先進的研究分野での数値シミュレーションなどに活用する。また、現行機と同様、「気候変動に関する政府間パネル(IPCCX)」への貢献も期待されているという。

 「地球シミュレータ」は2002年から2004年6月まで、世界で稼働中のスパコン性能をランク付けする「TOP500」で首位を保った。更新は稼働開始から6年が経過して老朽化が進んだためで、新システムも海洋研究開発機構横浜研究所(横浜市金沢区)のシミュレータ棟に設置する。【鴨沢 浅葱/Infostand】

海洋研究開発機構
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NEC
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