理研と富士通、国内最高性能97.94TFLOPSのPCクラスタ発表
理化学研究所と富士通は2009年8月7日、汎用のコンピュータを並列につないでスーパーコンピュータとして利用するPCクラスタの新システム「RICC(RIKEN Integrated Cluster of Clusters)」を発表した。従来システムの「RSCC(RIKEN Super Combined Cluster)」の8.5倍に演算性能を向上させた。10月1日から運用を開始する。
PCクラスタシステムとしては国内最高の97.94TFLOPS(LINPACKベンチマーク)で、世界のスパコンランキング「TOP500」の今年6月分の順位で34位に相当する。実行効率は92.36%を達成した。
超並列PCクラスタ、多目的PCクラスタ、分子動力学シミュレーション専用超高速計算機「MDGRAPE-3」、大容量メモリ計算機の機能の異なる4つの計算機をInfiniBand/10GbEで接続して、1つの計算機のように利用できる。
最大のシステムである超並列PCクラスタは1024ノード8192コアで、理論性能は96TFLOPSに達する。また多目的PCクラスタは、100ノードのそれぞれに、アプリケーション・プログラムで爆発的に高い性能を引き出せるGPUアクセラレータを搭載した。
「RICC」は、2004年3月に導入した「RSCC」の利用が急増し、研究者に十分利用できなくなってきたことなどを受けて開発。物理学、化学、工学、生物学、医科学など幅広い分野の研究者のニーズすべてに応えることを目標につくられた。2006年から進めている次世代スーパーコンピュータ開発プロジェクトのアプリケーション開発環境にも利用してゆく。
理化学研究所
http://www.riken.jp/