性能を改善した「LLVM 2.5」がリリース

 コンパイラ・インフラ「Low Level Virtual Machine(LLVM)」を開発するLLVM Developer Groupは3月2日、最新版「LLVM 2.5」をリリースした。バグ修正と性能改善が主な強化点となる。

 LLVMは、米イリノイ大学で開発された技術で、プログラム言語に依存しないコンパイラ基盤。コンパイル時、リンク時、実行時、さらにはアプリケーションがアイドルの状態でもコードを最適化する。現在、イリノイ大学のほか、米Apple、米Google、米Adobe Systemsなども開発に加わっている。

 最新版では、「XCore」プロセッサを含むバックエンドを持ち、GCC互換フロントエンドのllvm-gccでGFortrunを、プリコンパイルしたバイナリリリースもFortrunをサポートした。GCCインライナーは、コード量急増の問題から完全に無効化されている。

 ユニットテスト用に「Google Test」を利用、ネイティブコードジェネレータで多倍長整数をサポートも実現している(Cバックエンドは未対応)。このほか、オプティマイザーでも複数の改良が図られている。

 主要OSと主要プラットフォームをサポート、プロジェクトのWebサイトよりダウンロードが可能。ライセンスは、BSDライセンスに似たUniversity of Illinois Open Source License。

The LLVM Compiler Infrastructure
http://llvm.org

「LLVM 2.5」ダウンロード
http://llvm.org/releases/