STマイクロ子会社、GPUプログラミングに対応した新コンパイラ発表
STマイクロエレクトロニクスは2009年6月30日、高性能並列化コンパイラと開発ツールのセット製品「PGI Release 9.0」を発表した。米NVIDIAの「CUDA」対応GPUを内蔵したx86-64プロセッサ・ベースのLinuxシステム上で、GPUプログラミングモデル「PGI Accelerator」をサポートする初の製品という。HPC分野でのGPU利用に対応する。
米STマイクロエレクトロニクスの完全子会社Portland Group(PGI)が開発した、Linux、Mac OS X、Windowsのマルチプラットフォーム対応製品で、9.0には開発中のGPUプログラミングモデル「PGI Accelerator」のテクノロジープレビュー版を搭載した。日本国内ではソフテック(本社:東京都世田谷区)とベストシステムズ(本社:茨城県つくば市)を通じて販売する。
CUDAを使ったGPUプログラミングを、マルチコアCPUのOpenMPプログラミングと同様の形態のコンパイラ・ディレクティブを使って段階的に最適化できるという。これまでCUDAを使う場合、ホストとGPU間のデータ移動の管理や演算処理のオフロードなどのため、詳細レベルでのプログラミングが必要だった。
このほか、PGI Release 9.0は、複数のFortran 2003付加機能、Intel Xeon EX(Nehalem)の最適化、6コアのAMD Opteron(Istanbul)のサポートと最適化、Fedora Core 10/11、SuSE 11.1、Ubuntu 9のサポートなどの新機能を備える。
PGI Acceleratorテクノロジープレビュー版は2009年末まで利用可能。なお、Portland Groupは2009年第4四半期にPGI Accelerator正式版を搭載した新コンパイラ製品を発売する予定で、既存ユーザー向けにアップグレードパスを用意するという。
STマイクロエレクトロニクス(日本法人)
http://www.st-japan.co.jp/
Portland Group
http://www.pgroup.com/
ソフテック
http://www.softek.co.jp/
ベストシステムズ
http://www.bestsystems.co.jp/