Open Source Meets Business Congressの創始者、ヨーロッパのOSSの支援に取り組む

 Novellに買収される前のSUSEで最後のCEOを務めたRichard Seibt氏が今週、SUSE誕生の地であるドイツのニュルンベルクで3度めのOpen Source Meets Business Congressを開催した。Seibt氏によると同会議には720人の参加があり、そのうちの60%が「CIO/CEO/CTOなどの意思決定者」、20%が「IT専門家」だったという。

 Open Source Meets Business Congressは3日間開催された。初日には「投資サミット」が開かれ、「なぜオープンソースに投資するのか」をテーマとしたセミナーや、ベンチャー投資家のLarry Augustin氏とIBMのBob Sutor氏による基調講演が行なわれた。2日目にはLikewise Software、ez Systems、LiferayなどのCEOが技術的な内容の講演を行なった。午後にはオープンソース企業を集めて、コラボレーション、デスクトップ、BIなどについての様々なワークショップが開かれた。3日目にはHewlett-PackardとMicrosoftによる講演があったのに加えて、Deutsche Post(元ドイツ連邦郵便)による「最良の慣行」についての議論などが行なわれた。

 とは言え今回の会議は、Seibt氏がオープンソースのために行なっている活動のほんの一例に過ぎない。Seibt氏は、Open-Xchangeの理事長など様々な理事会のメンバーを務めているのに加えて、同氏によると「オープンソース企業のよりどころ」である、ヨーロッパ全土を対象としたOpen Source Business Foundationの理事長も務めている。

 Seibt氏は今回の会議を含む自らの活動について「オープンソースの最良の慣行についてや、いかにして自社と顧客に価値をもたらすことができるのかなどを企業に教えたり学ばせてもらったりしている」と説明した。

 またSeibt氏は次のように主張した。「オープンソースは、単に無料であることとはまったく別だ。オープンソースのメリットは、ソリューションがより簡単になるということであり、テストをしやすいということであり、そして各々のビジネスに合わせて取捨選択を行ないやすいということだ」。

 Open Source Business Foundationは、「Open Source Business Association」や、75,000ユーロを授与する「European Open Source Business Award」など、様々な形で支援を提供している。またOpen Source Business Foundationの各ワークグループでは、特許、ライセンス、教育、トレーニングなど幅広いテーマについての研究が行なわれている。またオープンソース企業の成功を支援するためのコンサルタントがいて、ビジネスプラン、投資家の獲得、技術的な方法論など様々な課題についての指導を受けることができる。

 Seibt氏は次のように述べた。「コミュニティとして、われわれはボーダレスになる必要がある。ヨーロッパ、特に大きな可能性を秘めたロシアを含む東ヨーロッパから、これまでに多くの技術が生まれてきた。今後も生まれ続けるだろう。どの国で生まれたのかだけで判断を下してしまうのはなく、技術そのものを見て評価する必要がある」。

 さらにSeibt氏は次のように続けた。「オープンソースが誕生したのは実はヨーロッパであり、これからまだ多くのことがヨーロッパから登場しようとしている。米国の販売サイクルはヨーロッパと比べて非常に短いため、オープンソース企業が米国で成功できるのであれば、ヨーロッパでも大成功することができるはずだ――私はそれを手助けしたいと考えている」。

Linux.com 原文