ノースイースタン大学とジャーグ、特許侵害でGoogleを提訴

 米国Googleが特許侵害で訴えられた。同社を提訴したのは、ボストンにあるノースイースタン大学とベンチャー企業の米国ジャーグ・コーポレーションである。11月6日にテキサス州東部地区連邦地裁に提出された訴状には、Googleが利用している検索サービスの技術は、ノースイースタン大学とジャーグが持つ特許技術を侵害していると記されている。

 訴状によるとGoogleが提供する検索サービスには、ノースイースタン大学の准教授でジャーグの共同設立者でもあるケネス・バクラフスキ氏が開発した分散データベースの技術が無断で使用されているという。バクラフスキ氏ら原告側は陪審による裁判と特許侵害行為の差し止めに加え、Googleに対し現在までの利用料(ロイヤリティ)および損害賠償金の支払いも要求している。

 問題となっている特許技術は、クエリを細かく分割し、ネットワーク上にある複数のコンピュータで分散処理することで、検索結果を迅速に得られるようにする分散データベース・システムに関するものである。同特許技術はバクラフスキ氏からノースイースタン大学に譲渡され、ジャーグに対して独占的にライセンス供与されているという。

 なお同特許技術は1997年12月2日付けで米国特許商標局(USPTO)に承認されており、USPTOのWebサイトで検索できる(特許番号5694593)。USPTOに提出された資料には、「本発明はネットワークによって相互接続されているフロントエンド・コンピュータと、多数のコンピュータ・ノードを含む分散コンピュータ・データベースに関するもので、これらのコンピュータ・ノード群が検索エンジンとして機能する」と記されている。

 訴状によるとGoogleの検索技術もクエリを分割し、分散データベース・システムを用いて高速処理を行うものだという。原告側は「Googleは売上高の99%を検索と連動する広告から得ており、迅速に検索結果を表示させることがビジネスの成功を左右する」と指摘している。

 11月11日付けのボストン・グローブ紙によると、Googleは提訴されたことを認知しており、同訴訟には「メリットがない」との立場を示しているという。なお原告側もGoogleも、11月11日の段階では「直ちにコメントすることはできない」としている。

 今回提訴が起こされたテキサス連邦裁判所執行官管区は、特許訴訟に対して積極的に取り組んでいる管区の1つである。原告側もGoogleも同地域を拠点としているわけではない。しかし原告側は、Googleが同地域でもサービスを提供しているため、提訴するのにふさわしい場所であると主張している。

 現時点では裁判の日程は決定していない。なお次の段階はGoogleが訴状に対して応答するとともに、裁判所が訴えの正当性を判断することになる。

 ノースイースタン大学は、学生が単位を取得するため、職業に従事するという産学協同プログラムで知られる私立大学である。ジャーグは「Semantic Knowledge Indexing Platform」と呼ばれる知的財産管理スイートを開発し、セマンティクス・ライフ・サイエンセズという子会社を通じて生命科学や医療分野の企業に販売している。

(ジェームズ・ニコライ/IDG News Service パリ支局)

米国Google
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米国ジャーグ
http://www.jarg.com/

提供:Computerworld.jp