Sun、Windows OS搭載サーバを販売へ――技術提携拡大の一環として仮想化技術でもタッグ

 米国Sun Microsystemsと米国Microsoftは9月12日、技術提携戦略を拡大し、Sunの64ビット・サーバに、Windows Server OSをプリインストールして販売すると発表した。2007年12月中旬まで(90日以内)に、出荷する予定だという。

 また両社は今後、Microsoftの仮想化ソフトウェア「System Center Virtual Machine Manager」で、SunのUNIX OSである「Solaris」を管理できるようにするなど、共同で技術開発を行っていくことも明らかにした。

 Microsoftでサーバ&ツール・マーケティング&ソリューションズ担当副社長を務めるアンドリュー・リーズ氏は、「管理ツールの相互運用性を追求することは、両社の技術提携戦略の一環だ」と語っている。

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2004年4月、歴史的和解を発表した直後のコンファレンスに登壇した両社CEO(当時)。Sun Microsystemsのスコット・マクニーリ氏(左)とMicrosoftのスティーブ・バルマー氏(右)

 両社は2004年4月、それまでのライバル関係を“解消”し、技術提携契約を結んだ。その際、MicrosoftはSunに対し、独占禁止法問題および特許侵害問題の和解金として、16億ドルを支払っている。

 リーズ氏は「技術提携が拡大することで、今後、どのような成果が上げられるか楽しみだ」とコメントしている。

 Microsoftを専門で調査している、ディレクションズ・オンMicrosoftでアナリストを務めるマイケル・チェリー氏は、今回の技術提携拡大の影響について、「これまでSun製のサーバを度外視してきたWindowsユーザーも、今後はSun製サーバに目を向けるだろう」と指摘した。

 Sunが以前から開発してきた独自の仮想化技術「Solaris Container」は、高い評価を得ている。競争が加速する仮想化製品市場では、米国VMwareが首位を独走しているが、今回の技術提携拡大は、仮想化製品市場で2位に甘んじているMicrosoftにとっても、競争力を高めるチャンスになるようだ。

 また、両社はレドモンドにあるMicrosoftの本社内に、「インターオペラビリティ・センター」を共同で設立する計画があることも明らかにした。

 Sunのサーバ「Sun Fire」シリーズは、同社のOSであるSolaris以外にも、米国Red Hatの「Red Hat Enterprise Linux」、米国Novellの「SUSE Enterprise Linux」、VMwareの「ESX Server」など、複数のOSをサポートしている。

 Sunでマーケティング担当副社長を務めるリサ・ジーカー氏によると、以前からMicrosoftのボリューム・ライセンスを保有する顧客の要望で、FireサーバにWindows Serverをプリインストールすることは行っていたという。

 しかし今回の技術提携拡大で、Sunは顧客やチャネル・パートナーに対し、Windows Serverをプリインストールしたサーバを、正式に販売できるようになる。ただし、Sunが独自に開発する「SPARC64プロセッサ」を搭載したFireサーバでは、Windows Serverは未対応となる。

 またジーカー氏は、将来的には同社のサーバに、Intel製のプロセッサを搭載する予定であることも明らかにしている。

(エリック・レイ/Computerworldオンライン米国版)

米国Sun Microsystems
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米国Microsoft
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