Dell、2003年以降の決算を修正へ――内部監査で粉飾会計が発覚

 米国Dellは8月16日、2003~2006年度と2007年度第1四半期の決算を修正すると発表した。特定の従業員が勘定残高を改竄し、粉飾会計に関与していたことが内部監査で判明したためだ。

 Dellがこれらの期間に報告した純利益の合計額は120億ドルだが、修正後の決算書では、純利益が合計で5,000万~1億5,000万ドル減少する見込みだ。1株当たりの利益も、合計報告額の4ドル78セントから2~7セント減少するという。

 Dellは、粉飾会計に関与した従業員に対して、解雇、罰金、または戒告の処分を科す方針だ。同社は関与者の名前を公表しなかったが、内部調査の対象には経営幹部も含まれていたという。Dellの副会長兼CFO(最高財務責任者)、ドン・カーティ氏は16日の電話会見で、粉飾関与者を対象に、解雇を含め、適切と考える処分を開始したと述べている。

 カーティ氏によると、内部監査の結果、Dellのスタッフが主に四半期末ごろに、勘定残高を調整し、不完全または不正確な情報を社内外の監査人に提出していたことがわかった。特定の改竄が業績見通しの達成を目的としていたと考えられる証拠も見つかっているという。改竄の手口のほとんどは、売上高と負債の計上にかかわるものだった。

 Dellは昨年8月に内部監査を開始した。米国証券取引委員会(SEC)の会計調査の対象となったためだ。125人の弁護士と250人の会計士がこの調査を担当し、約500万点の書類調査と従業員数百人の面接調査を行っている。

 これまでSECはDellの幹部と頻繁に協議を行ってきたと、カーティ氏は説明した。「決算修正は、内部調査で見つかった問題に対処することを目的としている。だが、SECの調査は継続中だ」(同氏)

 Dellは内部監査期間中、正式な四半期決算報告書をSECに提出してこなかったが、これらを今年11月の第1週までに提出する予定という。これにより、会計不祥事問題に終止符を打ちたい考えだ。

 Dellはこの問題に足を取られ、ここ数四半期はPCセールスでライバルのHPに水をあけられている。今年1月下旬には前CEOのケビン・ロリンズ氏が退陣し、創業者のマイケル・デル氏が後任に就いて経営の立て直しを図っている。

(ベン・エームズ&ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局)

米国Dell
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提供:Computerworld.jp