Dell、2Q決算で46%の増益に――企業向け製品/サービスの好調などが要因

 米国Dellが8月30日に発表した2008会計年度第2四半期(2007年5月-7月期)決算によると、純利益が前年同期の5億200万ドルから46%増加し、7億3,300万ドルとなった。Dellは大幅な増益の要因として、企業向け製品/サービスの好調、同社製PCの販売価格の上昇、部品コストの低下を挙げている。

 Dellの同四半期の売上高は148億ドル、1株当たりの利益は32セントで、いずれもThomson Financialが集計したアナリストの事前予測(それぞれ146億3,000万ドル、30セント)を上回った。

 ただし、Dellは投資家に対して、過去の四半期と数字を比較する際は注意するよう呼びかけている。同社は過去4年分の決算を修正する予定だからだ。

 Dellは2週間前、一部の従業員が収益目標達成のために売上高を水増ししていたことを明らかにした(関連記事)。修正されることになっているのは、2003~2006年度の各四半期決算と各通期決算、および2007年度第1四半期決算だ。

 またDellは、内部監査のために提出を延期していた正式な四半期決算報告書(2007会計年度第2~4四半期、2008会計年度第1四半期分)も提出する。NASDAQ市場では、これらの報告書の提出期限を11月12日に設定している。一方、米国証券取引委員会(SEC)は、Dellに対して実施している会計調査を継続する計画だ。

 Dellは第2四半期に、会計問題の内部監査費用として5,900万ドルを計上した。また、1億200万ドルのストック・オプション費用も含めている。

 DellのCEOであるマイケル・デル氏は、発表した声明で、「トラブルにもかかわらず、Dellの長期的な業務コスト削減計画は前進している」と、同社のコスト削減策が業績に貢献していることを強調した。

 Dellは、レイオフや生産性向上、インフラ投資によってこの計画を進めている。5月には、全従業員の約10%に当たる8,800人をレイオフすると発表した。企業買収にも取り組み、第2四半期にはASAPソフトウェア、シルバーバック・テクノロジーズ、ジング・システムズを相次いで買収した。

 また、Dellはここ数カ月間で、PCの店頭販売で小売りパートナーと提携してオンライン直販モデルを補強し、ビジネス計画を大きく変更した。ウォルマート・ストアーズ(北米・南米)、ビックカメラ(日本)、カーフォン・ウェアハウス(英国)などの店舗で、PCの店頭販売に乗り出している。

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)

米国Dell
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提供:Computerworld.jp