2007年1Qの世界PC市場、Dellの低迷を尻目にHPがトップを快走

 4月18日に発表された2件の調査リポートによると、昨年後半に世界PC出荷台数シェア1位の座をDellから奪ったHPが、今年第1四半期(1月-3月期)も順調にシェアを伸ばした。一方のDellはシェアを落とし、依然として低迷を続けている。

 Gartnerが発表した速報値によれば、同四半期におけるHPのPC出荷台数は全世界で1,100万台を超え、台数シェアも17.6%へと拡大した。ちなみに、前年同期の出荷台数は857万台、シェアは14.9%だった。

 一方、DellのPC出荷台数シェアは前年同期の16.4%から13.9%へ下落し、出荷台数も7.8%減の869万台に終わった。

 IDCによる調査でも、Dellの低迷を尻目にHPがシェアを伸ばしたとの結果が出たが、Gartnerが発表した数値とは多少の開きがある。IDCでは、HPのPC出荷台数シェアは前年同期の16.5%から19.1%へ拡大し、Dellのシェアは同18.2%から15.2%へ縮小したとリポートしている。

 なお、GartnerおよびIDCの調査リポートは、いずれもPC売上高には言及していない。

 全体のPC出荷台数については、Gartnerは前年同期比8.9%増の6,271万台に、IDCは同10.9%増の5,893万台に達したと報告している。

 「当初は同四半期の伸び率を8.5%と予測していたが、実際の結果はこれを超えるものとなった。業務向け製品市場よりも、ポータブルPCおよび消費者向け製品市場で大きな成長が見られた」(IDCの調査リポートより)

 ただし、GartnerとIDCではPCの定義が微妙に異なっており、今回の調査リポートでも3位以下のランキングに違いが表れている。

 GartnerはAcer(台数シェアは6.8%)、Lenovo(同6.3%)、東芝(同4.1%)の順で3位以下のPCベンダーをランク付けしているが、IDCではLenovoおよびAcer(同6.7%)の双方を3位に、東芝(同4.3%)を続く5位にした。IDCの調査によれば、第1四半期におけるAcerおよびLenovoのPC出荷台数はどちらも396万9,000台だったという。

 Windows VistaのリリースがPCの販売を後押ししたかどうかに関しては、GartnerとIDCはいずれも「影響なし」と報告した。両社は調査リポートの中で、2007年初頭のVista発売はPCセールスにほとんど影響を及ぼさなかったと記している。

(ロバート・マリンズ/IDG News Service SunフランCisco支局)

米国Gartner
http://www.gartner.com/

米国IDC
http://www.idc.com/

提供:Computerworld.jp