Pidgin 2.1.0によるUIの改善

 会話ウィンドウのインタフェース刷新と書式ツールバーの改良により、Pidgin 2.1.0は既存ユーザにとっては魅力的なアップグレード版になっている。しかし、音声チャットやビデオチャットをサポートしたマルチプロトコルクライアントを求めているなら、やはりほかをあたる必要があるだろう。

 ユーザインタフェース(UI)の改良は、個々の積み上げによって大がかりなものになっている。先月の投稿においてPidginの開発者Sean Eagan氏は、会話ウィンドウ全体にわたって無造作に表示される仲間アイコンやツールチップ、詰め込み気味のツールバー、難解すぎて利用しづらい機能など、UIの問題点を取り上げ、次のバージョンでの修正について大々的に述べていた。

 「バージョン2.1.0用として、こうした問題の一部を解決する新しい会話ウィンドウインタフェースが、デザイナHylke Bons氏の手によって開発された」(Eagan氏)。そのスクリーンショットには、以前より大きくてさっぱりしたウィンドウや、2つのドロップダウンメニューと1つのリセットボタンに再構成されたツールバーが示されている。このドロップダウン式のフォントメニューは、メモ帳アプリケーションの「Tomboyを見て思いついた」とEagan氏は記している。

 以前(AOLとの商標訴訟が解決されるまで)はGaimと呼ばれていたPidginがサポートするIMネットワークには、AIM、Bonjour、Gadu-Gadu、Google Talk、Groupwise、ICQ、IRC、MSN、QQ、SILC、SIMPLE、Sametime、XMPP、Yahoo!、Zephyrが含まれる。聞き覚えのあるIMネットワークはいずれも含まれているが、聞き慣れない名前もいくつかある。

 MySpace IMの名前が見当たらないが、おそらく近いうちにサポートされるだろう。入手可能なクライアントとしてはWindows、Fedora Core、CentOS/Red Hat Enterprise Linux用のものがあり、ソースコードをダウンロードすることもできる。また、PidginのライブラリをベースとしたMacユーザ向けの“姉妹版”アプリケーションがAdiumである。

 大半のディストリビューションにPidgin 2.1.0のパッケージが収録されるまでにはしばらく時間がかかりそうだが、Fedora Core、Red Hat Enterprise Linux、CentOS用のパッケージであればPidginのWebサイトから入手可能だ。なお、同サイトからは、Windows用のソースコードとバイナリも入手できる。

Shirl Kennedyは、ブログ「DocuTicker」および「ResourceShelf」のシニアエディタ。Information Today紙にも「Internet Waves」というコラムを寄稿。1982年からテクノロジに関する執筆で活躍している。

Linux.com 原文