日本オラクル、「エンタープライズ・マッシュアップ」を実現する統合スイート「WebCenter」を発表――Web 2.0の特徴であるマッシュアップの手法を、企業向けアプリケーションに適用
WebCenterは、Webサービス技術ベースのアプリケーションやサービス、企業内の各種業務アプリケーションを組み合わせた“統合アプリケーション”の構築を可能にするソフトウェア・スイートである。Web 2.0の世界で一般的な、複数のアプリケーションやサービスを組み合わせて利用するマッシュアップの手法を、企業向けアプリケーションにおいて適用したものだ。
同製品は、アプリケーション開発環境の「Oracle Application Development Framework(Oracle ADF)」と運用環境の「WebCenter Framework」、アプリケーションに組み込んで利用するサービス群「WebCenter Sevices」で構成されている。
Oracle ADFは、ビジュアル設計機能が統合された同社のアプリケーション開発ツール「Oracle JDeveloper」を使うことで、モデリングからデプロイまでをスタンドアロン環境で開発することが可能。そのため、大掛かりな開発環境は不要であるという。
WebCenter Frameworkは、Java Server Faces(JSF)やJavaポートレットなどの標準的な技術に対応している。日本オラクルによれば、これらの標準技術を採用し、フレームワークとして提供されるのは、WebCenter Frameworkが業界初であるとしている。
また、WebCenter Sevicesでは、コンテンツ管理製品「Oracle Content Database」、企業内コンテンツ検索製品「Oracle Secure Enterprise Search」、プレゼンス機能やVoIP/TV電話機能などを提供する「Oracle Communication&Mobility Server」という3つの自社製品のほか、ジャイブ・ソフトウェアからOEM提供を受けた「Jive Forum」、オープンソースのWikiソフトウェア「YaWiki」が統合されている。
発表会では、東洋ビジネスエンジニアリングの「MCFrame」、インフォファームの「戦略箱」、ウイングアークテクノロジーズの「SVF」をマッシュアップしてアプリケーションを構築するというデモンストレーションが行われた。通常、これらのアプリケーションを利用するには、アプリケーションごとに用意されたユーザー・インタフェース(UI)を使い分ける必要があった。だが、WebCenterを利用すると、UIとサービスを分離することができるため、単一のUIに3種類のアプリケーションを統合することが可能になる。
日本オラクルの常務執行役員システム製品統括本部長である三澤智光氏は、WebCenterについて、「それぞれのアプリケーションが1つのブラウザ上で動的にリンクすることで、まるで1つのアプリケーションのように動作する。これは、アプリケーションごとのマッシュアップと、JavaやAjaxといったリッチ・インタフェースを提供するテクノロジーが融合していないと実現できない」と説明した。
同社が掲げる、WebCenterの販売目標は2007年中に30件。「Oracle Application Server Enterprise Edition」のオプションとして提供される同製品の価格は、12万5,000円/1指名ユーザーおよび625万円/プロセッサの2種類が用意されている。
(山上朝之/Computerworld)
日本オラクル
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