XMLコンソーシアム、企業システム向けWeb2.0提言書を公開

 XMLコンソーシアム(会長:鶴保征城 情報処理推進機構ソフトウェアエンジニアリングセンター所長)は2007年6月15日、企業情報システムでのWeb 2.0実装の手引きをまとめた「エンタープライズ・システムのためのWeb 2.0」提言書を発表した。同コンソーシアムのWeb 2.0部会およびWebサービス実証部会の活動成果がベースで、Webで公開している。

 Web 2.0の要素技術を企業システムに導入するためのマッシュアップ素材の探し方や、さまざまなAjax開発手法、完成したWeb 2.0アプリのテスト手法などをまとめた。「マッシュアップ・アプリケーションを組む」「Web 2.0の要素技術をエンタープライズに導入するために」「エンタープライズWebアプリケーション最新事例」「Web 2.0のビジネスモデル」などの項目からなる。

 このうち「Web 2.0の要素技術」では、RubyやPythonなどの軽量言語について、「なぜ“Ruby on Rails(RoR)”がエンタープライズ、Web 2.0向きか?」と題して解説。短納期、低コストというシステム開発ニーズが軽量言語の台頭をもたらし、「RoRは、重量級言語による企業Webシステム開発のノウハウを詰め込んだ開発フレームワークを、軽量言語のRubyという技術要素を使って実現した」と分析している。

 このほか、デスクトップ環境をWebブラウザ上で実現するサービス「WebOS」も取り上げ、Webのプラットフォーム化、リッチなユーザー体験、集合知/ユーザー参加型の開発プロセスなど、「Web2.0的アプリケーションの要素」を備えるものと指摘している。【鴨沢 浅葱/Infostand】

エンタープライズ・システムのためのWeb 2.0
http://www.xmlconsortium.org/wg/web2.0/teigensho/index.html

XMLコンソーシアム
http://www.xmlconsortium.org/