SC06:Beowulfクラスタを構築するスーパーコンピュータ関係者

先週、フロリダ州タンパで「ハイパフォーマンスなコンピューティング、ネットワーキング、ストレージに関する最初の国際会議」であるSC06が開催された。カンファレンスの雰囲気を読者の皆さんにも少し味わってもらえるようにビデオカメラを持ち込み、「招待者のみ入場可」のBeowulf Users Groupパーティの様子まで撮影してきた(このパーティはカンファレンス会場のタンパコンベンションセンターから数ブロック離れたバーで行われた)。

富士通研究所、イーサネットを複数本束ねて高性能クラスタを構築する通信ソフトを開発

 富士通研究所(本社:川崎市)は2006年10月23日、汎用イーサネットを複数本束ねることで専用ネットワーク並みの通信速度を実現するPCクラスタ向け高速通信ソフトウェアライブラリを開発したと発表した。国立筑波大学計算科学研究センターとの共同開発で、7月に稼動開始した同大学のスーパーコンピュータ「PACS-CS」に採用されている。

Appleのくびきを脱したTerra Soft、世界初のCellベース・スーパーコンピューティングクラスタに取り組む

昨年アナウンスされた、AppleによるIntelベースハードウェアへの移行という出来事は、Yellow Dog Linuxディストリビューションで知られるTerra Soft Solutionsにとっての致命的な大打撃かと思われた。ところがTerra SoftのCEOを務めるKai Staats氏によると、この動きは結果的に同社にとっての福音となったということである。というのも、これを契機として同社はより大きな収益の見込める業務に着手するようになっており、Cellをベースとした世界初のスーパーコンピューティングクラスタの構築もそうした成果の1つなのである。

米IBM:PS3の「Cell」でスパコン、目標は1ペタ級

 米IBMは6日(米国時間)、「プレイステーション3」のために開発されたプロセッサー「Cell」を利用して、高性能スーパーコンピューターを構築する計画を発表した。能力は1ペタFLOPS(1秒間の演算回数が1000兆回)が目標。ソニーやIBMは、Cellをゲーム機だけでなくサーバーなどに転用しており、その能力を証明するのが狙いとみられる。

日本SGI、半導体エネルギー研究所に256CPU構成のスーパーコンピュータ納入

 日本SGI(和泉法夫社長)は7月10日、半導体エネルギー研究所(SEL、山崎舜平社長)にSGIのLinuxスーパーコンピュータ「SGI Altix3700 Bx2」の256CPU構成のシステムを納入したと発表した。またSELは、同システムを半導体の回路設計や材料設計などの科学計算、シミュレーション用コンピュータ・システムとして稼働を開始した。

理研、SGIなど、世界最高速、1ペタFLOPSのコンピュータシステム構築に成功

 独立行政法人理化学研究所(理研、野依良治理事長)と日本SGI(和泉法夫社長)、インテル(吉田和正/ロビー・スウィヌン共同社長)は6月19日、生物の分子の働きをシミュレーションし、その動きを計算する専用コンピュータシステム「MDGRAPE-3(エムディーグレープ・スリー)」の構築に成功したと発表した。

スパコン:演算回数、毎秒1000兆回を実現へ 米Cray

 米Crayは15日(米国時間)、米オークリッジ国立研究所のスーパーコンピューター「Jaguar」の能力を増強し、08年末までに1ペタFLOPS(1秒間の演算回数が1000兆回)を実現すると発表した。成功すれば、米IBMの「BlueGene/L」(ピーク時で約360テラFLOPS、1000テラ=1ペタ)を抜き、最高記録を塗り替える。日本では、その10倍の10ペタFLOPSを目指す計画があり、覇権争いが激化しそうだ。