Unicode 13をサポートした「glibc 2.32」が公開

 GNU C Libraryプロジェクトは8月6日、最新安定版となる「GNU C Library(glibc) 2.32」を公開した。

 GNU C Library(glibc)はGNUシステムおよびGNU/LinuxシステムのGライブラリ実装。ISO C11、POSIX.1-2017などの標準に準拠しており、移植性と性能を特徴とする。GNU C Library 2.32は2月に公開されたバージョン2.31に続く最新版。

 Unicode 13.0のサポートが加わった。文字のエンコード、文字の種類情報などがアップデートされている。

 DT_AUDITとDT_DEPAUDITダイナミックセクションに含まれる監査モジュールの読み込みが可能となった。バッファオーバーフローやOut-of-boundsアクセス検出の強化として、一部のAPIにGCC ‘access’属性が付いた。これにより、GCC 10の問題への警告が改善するとしている。

 variable __libc_single_threadedを宣言するヘッダファイル が加わった。シングルスレッド最適化ではこのヘッダを使用するよう推奨している。

 エラー番号名を返すstrerrorname_np、エラー番号の説明を返すstrerrordesc_npが加わった。無効なエラー番号に対してはNULLを返す。

 ハードウェアでは、Linuxが動くSynopsys ARC HSコア(ARCv2 ISA)をサポートした。使用するためには、binutils-2.32、gcc-8.3、Linux-5.1が必要。

 このほか、多数の細かな強化が加わっている。

GNU C Library
https://www.gnu.org/software/libc/