Unicode 12.1をサポートした「Glibc 2.30」リリース

 The GNU C Library(glibc)開発チームは8月1日、GNU C library「Glibc 2.30」を公開した。

 GNU C Library(glibc)は標準のCライブラリ実装。GNUおよびGNU/Linuxシステム向けのコアライブラリで、ISO C11、POSIX.1-2008、BSD、OS固有のAPIなどのAPIを提供する。

 プロジェクトは6か月のリリースサイクルを持ち、Glibc 2.30は1月に公開されたバージョン2.29に続く最新版。GCCはGCC 6.2が必要、それ以前のGCCおよび非GCCコンパイラについては、glibcを使うプログラムのコンパイルではサポートされる。

 本バージョンではUnicode 12.1をサポートした。また、ja_JPロケールで新元号「令和」に対応した。

 動的リンカーで、環境変数LD_PRELOADに加えて、共有オブジェクトをプリロードする「–preload」引数を利用できるようになった。動的リンカーではまた、バージョン化されたシンボルで、その実装が別の共有ライブラリに移行しているオブジェクトの読み込みを拒否しなくなった。

 twalk_r()関数を追加した。既存のtwarlk()関数に類似しているが、コールバック関数に呼び出し側の引数を加えて渡す関数という。

 Linuxではgetgents64()、gettid()、tgkill()の3種類の関数が加わった。pthread_cond_clockwaitなどPOSIC-proposedの関数も加わった。

 このほか、多数の細かな機能強化とセキュリティ関連の修正が含まれている。

The GNU C Library(glibc)
https://www.gnu.org/software/libc/