「Istio 1.6」リリース、Istiodへの移行が完了

 コンテナクラスタ向けにマイクロサービスの管理機能を提供するサービスメッシュ「Istio」開発チームは5月21日、最新版となる「Istio 1.6」を公開した。Istiodへの移行作業が完了したほか、Kubernetes以外のワークロードのサポート強化などが図られている。

 Istioはマイクロサービスの接続、管理、安全化のためのオープンソースのプラットフォーム。サービス間のAPIコールやトラフィックフローを制御する機能や、サービスの自動追跡/モニタリング/ログなどの機能を備える。サービス間の暗号化や認証などのセキュリティ機能も用意する。

 Istio 1.6は3月に公開したバージョン1.5に続く最新版。インストール時のコントロールプレーンのコンポーネント数を削減するといった簡素化に向けてバージョン1.5で導入されたIstiodへの機能の移行が完了した。これにあわせて、バージョン1.5ではデフォルトで無効となっていたCitadelやSidecar Injector、Galleyといったコンポーネントが削除された。

 Kubernetes 1.18でアルファ機能として加わっていたEndpointPortやServicePort APIにおけるappProtocolフィールドがサポートされた。これによって、独自にサービスの定義を追加することなく機能を利用できるようになった。

 仮想マシンのサポートも強化し、新しいAPIとしてWorkloadEntryを導入した。仮想マシンやベアメタルに実装したワークロードはこれまでIPアドレスを持つエンドポイントという扱いだったが、Kubernetes以外のワークロードをメッシュに追加する際に同APIを利用することで、Kubernetes Podと同レベルに扱えるという。

 ライフサイクル関連では、コマンドラインツールのisioctlを強化し、Istioctl Analyzeが正式機能となった。より詳細な診断情報を提供するための改善が加わっている。

 このほか、ネットワーク、セキュリティ、トラフィック管理などで多数の細かな機能強化が加わっている。

Istio
https://istio.io/