米Googleら3社、マイクロサービス管理フレームワーク「Istio」プロジェクトを立ち上げ

 米Googleと米IBM、そして配車サービスを手がける米Lyftの3社が5月24日、マイクロサービス向けサービスメッシュフレームワークを開発するプロジェクト「Istio」立ち上げを発表した。Lyftのプロキシ技術を利用し、マイクロサービスの接続、管理、モニタリングを統一した方法で行うことができるという。

 Istioはマイクロサービスの接続、管理、モニタリングを統一した方法で行うためのオープンソースプロジェクト。GoogleやIBMの大規模なマイクロサービス構築・運用ノウハウと、Lyftが配車サービスで使用している内部オペレーション技術を組み合わせるという。マイクロサービスにトラフィック管理的な機能を持たせ、セキュリティ、モニタリング、ルーティング、接続管理、ポリシーなどの価値を加える土台を提供するという。これによってアプリケーション側のコードを変更することなく管理機能を実現できるとしている。

 サービスとネットワークの間にレイヤーを挟み、サービス実装(サービスメッシュ)を組み込む。サービスメッシュにより、オペレーターとアプリケーション機能の実装、リリースプロセスとを分離する。プロキシをネットワークパスに挿入することで、バラバラのマイクロサービスを統合されたサービスメッシュに変換できるとしている。

 プロキシーは、Lyftがオープンソース化したEnvoyプロキシーを利用する。LyftのEnvoyはC++11で書かれた分散プロキシ/コミュニケーションバス。1年以上運用環境で利用されており、1万以上の仮想マシン上で100以上のサービスを管理しており、毎秒200万件のリクエストを処理しているという。Lyftは2016年9月にオープンソースとして公開している。

 IstioはまずKubernetes環境をターゲットとするが、今後数ヶ月で仮想マシン、Cloud Foundryなど他の環境にも拡大するという。

 現在、バージョン0.1がプロジェクトのWebサイトより入手できる。今後3ヶ月おきに最新版をリリースする予定としている。

Istio
https://istio.io/