負荷テストツール「Apache JMeter 5.3」リリース
Apache JMeter開発チームは5月16日、最新安定版「Apache JMeter 5.3」を公開した。ユーザーインターフェイスの変更が大きな強化点となる。
Apache JMeterはJavaで実装された負荷テストツール。単一のサーバー、サーバー群、ネットワークやオブジェクトに対して多数のリクエストを生成したり、負荷をかけることでその性能を分析できる。当初Webアプリケーションの性能テスト用に設計したが、その後機能を拡充し、それ以外のシステムの性能テストにも対応する。
Apache JMeter 5.3は2018年9月に公開したバージョン5系の最新のポイントリリース。JavaはJava 8以上が必要。
ユーザーインターフェイス(UI)関連で多数の強化が加わった。「Look & Feel」と呼ばれるUIコンポーネントとして「Darcula-Laf」ベースの「Darklaf」が導入された。さらにUIの配色などを変更できる複数のテーマも提供されており、暗い配色となるダーク系のテーマも用意されている。ショートカット、アプリ内ズーム、編集できるフィールドでの取り消し(アンドゥ)とやり直し(リドゥ)のサポートなども加わっている。
ツリー階層構造のナビゲーションも改善し、ツリー内のエレメントが無効化されるとその下のエレメントがすべて灰色で表示されるようになった。また、HTTPサンプラー、テストスクリプトレコーダー、コントローラー、リスナーなどで細かなバグの修正が加わった。
互換性のない変更として、httpclient4.time_to_liveのデフォルト値が2000から60000に引き上げられた。HTTPコネクションが長く持続し、典型的なブラウザの振る舞いに近づいたという。また、Groovy 3へのアップグレードにより、テスト内の古いGroovyコードの一部が機能しない可能性があると警告している。
Apache JMeter 5.3はプロジェクトのWebサイトより入手できる。
Apache JMeter
https://jmeter.apache.org/