「Fedora 32」リリース、新たにWorkstation向けエディションでEarlyOOMを導入

 The Fedora Projectは4月28日、LinuxディストリビューションFedoraの最新版「Fedora 32」を公開した。

 FedoraはRed Hatが支援するオープンソースのLinuxディストリビューション開発プロジェクト。コミュニティ主導で最新機能の開発を積極的に進めているのが特徴で、半年サイクルでリリースが行われている。Fedora 32は2019年10月に公開されたバージョン31に続く最新版となる。

 デスクトップ向けのFedora Workstation、サーバー向けのFedora Server、自動アップデート機能を持つコンテナ向けのFedora CoreOSなどのエディションが提供されるほか、デスクトップ向けにより細かくカスタマイズが加えられた「Fedora Spins」や、特定の機能に特化した「Labs」なども用意されている。

 Linuxカーネルのバージョンは5.6で、WireGuard VPN、USB4などのサポートが加わった。Fedora Workstationでは, 利用できるメモリ量と利用できるSWAP領域を定期的に調べ、メモリ不足を早期に予測して不要なプロセスを削除するユーザー空間デーモン「EarlyOOM」を導入した。これによって低メモリ環境での振る舞いが改善されるという。

 SSDストレージスタックの最適化を支援し性能改善を目指す「fstrim.timer」がデフォルトで有効となった。fstrimコマンドは週ベースで実行され、物理と仮想の両ストレージデバイスで使われていないブロックを報告する。

 デフォルトのデスクトップ環境はGNOME 3.36で、GCC 10、Glibc 2.31など多数のパッケージが最新版となった。Pythonは3.8に、Rubyは2.7になるなど、言語も新しくなった。64ビットIntelアーキテクチャに加えて、Aarch64アーキテクチャのサポートが加わった。

 Fedora 32はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

The Fedora Project
https://getfedora.org/