「Ubuntu 20.04 "Focal Fossa"」リリース、セキュリティにフォーカスしたLTS版

 英Canonicalは4月23日、Linuxディストリビューション「Ubuntu 20.04 “Focal Fossa”」の正式版公開を発表した。長期サポート(LTS)版となり、2025年4月まで5年間サポートする。

 2019年10月に公開した「Ubuntu 19.10」(「Eoan Ermine」)に続く最新版。LTSとしては2018年4月公開の「Ubuntu 18.04」(「Bionic Beaver」)以来のリリースとなる。

 Linuxカーネルはバージョン5.4をベースとし、セキュリティと性能に大きくフォーカスした。セキュリティでは、カーネルロックダウンモードとKernel Self Protectionが加わった。stack-clashに対する保護につながるとしている。また、Secure Bootを追加、ローレベルの攻撃とルートキットを保護するという。ソーシャルエンジニアリング攻撃への対策として、多要素でパスワードなし認証を実現するFast ID Online(FIDO)を導入した。

 ハードウェアレベルでは、AMD EPYCの仮想マシン暗号化技術AMD Secure Encrypted Virtualizationのサポートが加わった。VPNのWireGuardのサポートも加わった。なおWireGuardのサポートはUbuntu 18.04にもバックポートするという。

 ストレージではZFS 0.8.3をサポートした。ネイティブ暗号化、デバイス削除などの機能を利用できるという。

 このほか、Python 3.8がデフォルトとなった。Python 2.7はデフォルトのインストールから削除された。機械学習関連ではKubeFlowのサポートなども加わっている。

 パッケージやSnapの検索やインストールの仕組みとして、ubuntu-softwareに変わって「Snap Store」が導入された。

 デスクトップでは、デスクトップ環境がGNOME 3.36となり、Firefox 75、LibreOffice 6.4などパッケージが新しくなった。このほかにもたくさんの新機能や細かな機能強化が加わっている。

英Canonical
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