統合開発環境「IntelliJ IDEA 2020.1」リリース、新たにJava 14をサポート

 Java仮想マシン(JVM)向けの統合開発環境(IDE)「IntelliJ IDEA」開発チームは4月10日、最新版となる「IntelliJ IDEA 2020.1」を公開した。Java 14のサポートが加わったほか、エディタ、デバッガなどで多数の機能強化が図られている。

 IntelliJ IDEAは、チェコJetBrainsが開発するJavaや関連言語向けのIDE。静的コード解析、バージョン管理、コード入力自動補完、デザインなど開発生産性にフォーカスした機能を備える。より対応言語が多く、フレームワークサポートや各種ツールなどが利用できる商用版と、Apache License 2で公開するオープンソース版の2種類が提供されている。

 IntelliJ IDEA 2020.1は、2019年11月末に公開されたIntelliJ IDEA 2019.3に続くリリースで、2020年初の公開となる。最大の特徴は、3月に公開されたJava 14のサポート。RecordsではJava 14のコード洞察だけでなく、新規レコードの作成とコンストラクタ/コンポーネントの生成も可能。Pattern MatchingでもJava 14をサポートした。

 また、JDKビルドをIDE内でダウンロードして設定できるようになった。ダウンロードしたプロジェクトを開く際には、設定されているJDKが既にインストール済みかどうかをIDEがチェックし、未インストールの場合はプロンプト表示によりダウンロードを促す。

 Javaではインスペクションも新しくなり、これまでの静的コード解析に加えて、SimpleDateFormatパターンにおける大文字のチェック、日付フォーマットの分析、重複しているメソッドコードの検索などの機能も加わった。

 エディタでは、LightEditモードを導入した。プロジェクト全体の読み込みをすることなく、テキストエディタを使う感覚でスタンダロンのファイルに修正を加えたり、コマンドラインやIDE起動画面、OSのシステムファイルマネージャからファイルを開くことができるという。Open File in Project(Alt + Enter)で、LightEditモードと通常モードを切り替えられる。

 このほかにも、エディタ内のJavadocレンダリング、フル画面とDisctraction Freeモードの組み合わせによりソースコードに集中できるZenモードなどを導入、文法とスペルチェッカーのGrazieプラグインもバンドルする。

 JVMデバッガでは、データフロー解析支援を導入した。コード実行前の予測が可能で、アプリケーションがブレークポイントで停止時にデータフロー解析により次の動作を予測できるという。

 このほか、バージョンコントロール、UI、フレームワークなども強化した。

 IntelliJ IDEA 2020.1はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

IntelliJ IDEA
https://www.jetbrains.com/idea/