Prometheusベースの大規模クラウド向けメトリクス収集システム「Cortex 1.0」リリース

 米Grafana Labsは4月2日(米国時間)、Prometheusをベースとするメトリクス(統計情報)収集システム「Cortex 1.0」を公開した。長期間にわたる統計情報の収集や分析をサポートするもので、キャパシティプランニングなどにも活用できる。

 Grafana Labsは「Grafana」などのオープンソースプロジェクトを展開する企業で、Cortexには貢献企業として関わっている。CortexはGrafana Labsの開発者らがスタートしたプロジェクトで、2018年にCloud Native Computing Foundation(CNCF) Sandboxプロジェクトとして採用された。

 Cortexはモニタリング技術Prometheusをベースに、大規模クラスタへの対応や取得した統計データのクラウドストレージ上への保存といった機能を追加したもの。データの自動複製や配信を行うDistributor、Distributorからのデータをストレージバックエンドに書き出すIngester、ルールを実行してAlertmanagerにアラートを送るRuler、クライアントからのPromQLクエリを処理するQuerierといったコンポーネントで構成されており、PrometheusのリモートライトAPIを使ってPrometheusインスタンスによる時系列データの処理を行う。

 並列処理やキャッシュによる高速なクエリ処理、マルチテナントに加え、拡張性、可用性などの特徴も備えている。Amazon Web Services(AWS) DynamoDB、AWS S3、Apache Cassandra、Google Cloud Bigtableなどのストレージシステムをサポートしており、キャパシティプランニングや性能解析に向けたPrometheusメトリクスデータの保存にも対応する。

 Grafana LabsではすでにPrometheus CloudのバックエンドにCortexを使っている。このほかにも、米Electronic Arts(EA)、米Platform 9などがCortexを使っているという。

 Cortex 1.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはApache License 2。

Cortex
https://cortexmetrics.io/