「Memcached 1.6」が公開、メタプロトコルの強化などが行われる

 分散型メモリオブジェクトキャッシュシステムMemcachedの開発チームは3月8日、最新安定版となる「Memcached 1.6」を公開した。外部フラッシュストレージがデフォルトでコンパイルされるようになり、メタプロトコルも強化した。

 Memcachedは分散型のキャッシュストレージシステム。データベースの負荷を軽減することで動的なWebアプリケーションを高速化できる。プロジェクトは米NetflixやPacket(米Equnix傘下)らの支援を受けている。

 Memcached 1.6は、2017年に公開したMemcached 1.5に続く最新安定版。メモリ(RAM)だけでなく、フラッシュストレージなどをストレージとして利用する「extstore」機能がデフォルトのコンパイル設定で有効になった。大規模環境で運用については多少注意が必要だとしているが、一般的には安定しているという。

 メタプロトコルがバイナリプロトコルよりも多機能になり、それに合わせてバイナリプロトコルについてはdeprecated(廃止予定)というステータスとなった。テキスト/バイナリプロトコルでできることはすべて新しいメタコマンドで実行でき、またメタコマンドを使用することでキャッシュシステムの性能と正確さを改善できるとしている。

 また、ネットワークコードのリファクタリングを進め、レスポンスのシステムコールの自動バッチが可能になった。これにより大幅なCPUの効率化、遅延の改善が図れるという。

 このほかにも、多数の細かな機能強化やバグの修正が加わっている。

Memcached
https://www.memcached.org/