性能をさらに改善したmemcached 1.4.10リリース

 分散型メモリオブジェクトキャッシュシステムmemcachedの最新版「memcached 1.4.10」が11月10日公開された。マルチスレッド動作におけるスケーラビリティの強化とパフォーマンスの向上に注力したリリースとなる。

 Memcachedはインメモリで動作するKey-Valueストア型のキャッシュシステム。シンプルな設計、分散化対応などを特徴とし、Webアプリケーションなどにおけるデータベースアクセスの高速化や永続化する必要のないデータの保存といった用途に用いられている。LiveJournal、Wikipedia、Twitterといった大規模サイトから中小規模サイトまで、多くの環境で利用されている。プロジェクトは米Danga Interactiveの支援を受けており、BSDライセンスの下で公開されている。

 1.4.10では、スレッドの拡張性と性能向上にフォーカス、メモリへの要求を増やさないことと安全性に注意して改善を図った。その結果、クアッドコアシステムで3~6ワーカースレッドの場合、旧バージョンと比べてフェッチできるキー数が毎秒160万キーから約370万キーに向上した。4コア以上のシステムでは毎秒600万キーも実現可能というが、ワーカースレッドが6以上の場合は速度は遅くなるという。

 なお、複数のNUMAノードで構成した場合、実用上問題ないレベルではあるが性能が低下するという。もしスピードを重視する場合、本バージョンからは各NUMAノードに対しそれぞれ1インスタンスのみを動作させるよう設定することが推奨されている。

米Danga Interactive
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Memcached
http://memcached.org/