米Facebookが大規模memcached実装のための「mcrouter 1.0」をリリース
米Facebookは9月15日、memcachedプロトコル用のルーティングソフトウェア「mcrouter」をオープンソースソフトウェアとして公開した。memcachedをクラスタ化するソフトウェアで、実サーバーだけでなくAmazon Web Services(AWS)のクラウド環境でも利用できる。
mcrouterは同社が2013年に発表しているソフトウェアで、memcachedサーバーとクライアントの間に組み込むことでmemcachedを使った分散キャッシュシステムを構築できる。memchaced ASCIIプロトコルに対応し、クライアントからのリクエストに対してはmemcachedサーバーのように反応し、またmemcachedサーバー側に対してはmemchacedクライアントのようにアクセスする。マルチクラスタをサポートし、コネクションプーリング、プレフィックスルーティング、オンラインでの再設定、自動フェイルオーバーなどの機能がある。get、set、deleteなどのmemcacheプロトコルコマンドに対応するほか、IPv6やSSL接続もサポートする。C++で実装されており、ビルドにはGCCやBoost、autoconfなどが必要。
Facebookではキャッシュインフラのコア技術として利用しており、各データセンターに分散するキャッシュサーバー間のすべてのトラフィックで利用しているという。これにより、ピーク時は毎秒50億件のリクエスト処理を実現したと報告している。また、子会社のInstagramはインフラのFacebookへの移行前、Amazon Web Services(AWS)環境でスタンドアロンで利用していたとしている。
mcrouterのバージョン1.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはBSDライセンス。
mcrouter
https://github.com/facebook/mcrouter