「Apache CouchDB 3.0」リリース、3年ぶりのメジャーアップデート

 NoSQLデータベース「Apache CouchDB」開発チームは2月26日、最新のメジャーリリースとなる「Apache CouchDB 3.0」を発表した。セキュリティと性能改善にフォーカスした機能強化が加わっている。

 Apache CouchDBはErlangで実装されたドキュメント指向のデータベース。クラスタ構成にも対応し、HTTPとJSONを用いたクエリにも対応するほか、独自のCouch Replication Protocolも提供する。モバイルアプリケーション向けのオフライン機能も備える。

 Apache CouchDB 3.0は、2016年に公開されたバージョン2.0に続くメジャーリリース。今回のリリースにおけるフォーカスの1つとなったセキュリティ関連では、サーバーを起動する前に管理者パスワードが求められるよう変更が行われた。。また、2系で導入したセキュリティオプションを強化し、新規に作成されたデータベースはデフォルトでは管理者のみがアクセスできるように変更された。

 そのほかの大きな新機能としては、まずユーザー定義パーティションが導入された。セカンダリインデックスのクエリの性能、拡張性、効率性が改善できるという。また、バージョン2系で導入された、単一の論理的データベースを複数の物理ファイルに分割するシャーディングでは、新たにLive Shard Splittingを導入した。再設定することなくシャードのバランスを調整できるという。

 I/O Queueが新しくなり、全種類のリクエストとタスクを制御できるようになった。また、すべてのインデックスを定期的にクエリする自動バックグラウンドインデックスサービスのKenを導入した。

 JavaScriptエンジンが、Spidermonkey 60となった。これにより、ECMAScript 6のサポート、JavaScript実行の性能改善などが得られるという。継続的インテグレーション(CI)では、Travis CIから、Jenkinsベースに変更されている。

 Apache CouchDB 3.0は、Windows、macOS、Debian/Ubuntu、Red Hat Enterprise Linux/CentOS向けにビルド済みパッケージが提供されている。Dockerイメージ(Docker Hub)も間もなく公開される予定。

Apache CouchDB
https://couchdb.apache.org/