「Linuxカーネル5.4」公開、exFATサポートやハードウェアサポートの改善などが特徴

 Linus Torvalds氏は11月24日、最新の「Linuxカーネル5.4」のリリースを発表した。各種ハードウェアサポートの強化や、exFATのサポートなどが加わっている。

 Linuxカーネル5.4(開発コード「Kleptomaniac Octopus」)は9月中旬に公開されたLinuxカーネル5.3に続く最新版。新GPUなどのハードウェアサポート追加やexFATファイルシステムのサポートなどが特徴となる。

 AMDの「Navi」シリーズや「Vega」派生GPU、「Dali」APUなどのサポートが加わったほか、Intelの「Tigerlake Gen12」世代内蔵GPUもサポートされた。Qualcommの「Snapdragon 855」のサポートも加わっている。

 ストレージ関連ではMicrosoftが開発したファイルシステムであるexFATのサポートが導入された。EROFSについても「ステージング」段階から脱した。ext4ではデバッグ用のioctlがサポートされるなどの改善点もある。高性能のvirtioドライバ「virtIO-FS」も導入した。ゲストとホストの間のファイルシステム共有を実現するもので、FUSEベースで実装されている。

 また、リードオンリーファイルの保護に利用できる「FS-VERITY」認証機構が導入された。ブロックデバイス単位ではなくファイル単位で制限を行える点が特徴。

 カーネルロックダウンモードがオプションとして加わった。UID 0(ルート)とカーネルの間の境界をさらに強化するもので、有効にするとカーネルの一部機能を制限できるという。

 リードオンリーのソースデバイスの複製を生成するデバイスマッパーターゲットDM-Cloneも導入された。仮想のブロックデバイスとして、全てのデータをすぐに表示して読み込みや書き込みにリダイレクトできるというもので、リモートにあるリードオンリーのブロックデバイスをプライマリのデバイスにクローンしてI/0の遅延を下げるなどの使い方が考えられるという。

 このほかにも多数の強化が含まれている。

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