「Linuxカーネル5.1」リリース、非同期I/Oインターフェイスなどが導入される

 Linus Torvalds氏は5月5日、Linuxカーネル5.1(開発コード「Shy Crocodile」)の公開を発表した。性能やセキュリティを中心にさまざまな機能強化が加わっている。

 Linuxカーネル5.1は、3月に公開されたバージョン5.0に続くリリース。7回のリリース候補(RC)版を経ての正式版公開となった。

 非同期I/O向けの高性能なインターフェイスとしてio_uringを導入した。これまでも非同期I/Oをサポートしていたものの、バッファ付きI/Oは対応していないなどインターフェイスで不足があった。io_uringは高速で拡張性のある非同期I/Oとして開発され、バッファ付き/なしをサポートするという。

 永続メモリをRAMとして使用できるようになった。これまで永続メモリデバイスは主にストレージデバイスとして利用されてきたが、今回の機能強化によってNVDIMMなどの物理的な永続メモリをRAMとして利用可能となる。

 4.0から進めているライブパッチも改善し、複数のパッチで提供される変更を1回で完全にリプレースできる累積パッチ機能「Atomic Replace」が加わった。

 Linuxカーネル2.6.36で導入したファイルシステムのモニタリングfanotifyを強化し、「super block root watch」機能を導入した。これにより大規模なファイルシステムの変更をモニタリングできるという。

 セキュリティでは、LSM(Linux Security Module)を強化したほか、SafeSetID LSMモジュールが加わった。ホワイトリストを利用して、任意のUID(ユーザー識別子)/GID(グループ識別子)からの遷移を制限するという。監査ではFCAPS v3のサポートも加わった。

 このほかHabana LabsのAI Processors(AIP)のサポートなどドライバ関連も拡充した。

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