「Linuxカーネル5.2」リリース
Linuxの開発を主導するLinus Torvalds氏が7月7日、「Linuxカーネル5.2」のリリースを発表した。オーディオデバイス向けのオープンソースファームウェア開発プロジェクト「Sound Open Firmware」のコアがマージされるなど、さまざまな強化が加わっている。
Linuxカーネル5.2は5月末に公開されたバージョン5.1に続く安定版。開発コードは「Bobtail Squid」で、7回のリリース候補(RC)を経てのリリースとなる。
DSPオーディオデバイス向けファームウェアをオープンソースで開発するプロジェクト「Sound Open Firmware(SOF)」のコアやIntelのオープンソースファームウェアを取り込んだ。SOFはIntelとGoogleが中心となって進めるオープンソースプロジェクト。オープンソースのファームウェアを提供することでファームウェアのカスタマイズが可能になるほか、DSPプロセッサの処理能力をほかの分野で活用することもできるという。
BFQ I/Oスケジューラーの性能を大幅に改善した。アプリケーションの起動時間を最大80%改善するという。バージョン4.20で加わったPSI(Presure Stall Information)も強化し、リソースのモニタリングを改善した。mountAPIを再設計し、fsopen、fsconfigなど6種類の新しいシステムコールも加わっている。
ext4ファイルシステムでは大文字と小文字を区別しないファイル名参照がオプションとして加わった。ファイルシステムでは、xfsでヘルスレポートインフラのサポートなどが加わったほか、btrfs、ceph、cifs、fuse、nfs、afsなども強化されている。
ARM Maliアクセラレーター向けのコミュニティドライバーが2種(LimaとPanfrost)加わったほか、Microarchitectural Data Sampling(MDS)脆弱性に対応するCPUバグ保護も加わった。レガシーのIDEドライバーは非推奨となった。
このほか、多数の強化が加わっている。
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