Linuxカーネル5.3、リリース

 Linus Torvalds氏は9月15日、Linuxカーネル5.3のリリースを発表した。AMD Navi GPUの早期サポートなどが特徴となる。

 Linuxカーネル5.3は、7月に公開されたバージョン5.2に続く最新版。8回のリリース候補(RC)を経てのリリースとなった。

 ハードウェア側では、Radeon RX 5700などAMD Navi GPUの早期サポートやZhaoxin x86 CPUのサポートなどが加わった。一定条件の下でプロセッサに短期間実行停止させることができるumwait x86命令セットもサポートした。Xeonサーバーで消費電力を選択できる Intel Speed Selectのサポートも加わった。

 IPv4では、0.0.0.0/8レンジで1600万の新しいアドレスを利用できるようになった。

 バージョン5.1から取り組まれていたUNIXシステムにおけるプロセス識別子(PID)再利用問題への対応として、新たに「pidfd_open」システムコースを導入した。また、タスクスケジューラーでは電力消費量に配慮したタスクスケジューリング機能の強化が行われ、タスクがアクティブかどうかにを考慮してスケジューリングを行えるようになった。

 IoTデバイス向けの軽量のハイパーバイザーACRNのサポート(ゲスト)も加わった。VirtIO-IOMMUドライバもマージされ、仮想IOMMUデバイスをゲストに提供できるようになった。

 ファイルシステムでは、UBIFSでZstdファイルシステム圧縮を利用できるようになった。Btrfs、XFSでコードのクリーンナップを進め、F2FSではSWAPファイルをネイティブでサポートした。NFSクライアントで複数のTCP接続が可能になった。

 ハードウェアサポートでは、Apple SPIドライバがマージされ、2015年型のMacBookおよびMacBook Proで、キーボードとトラックパッドを利用できるようになった。このほか多数の機能が加わっている。

kernel.org
https://www.kernel.org/