ソフトウェアビルド・テストツール「Bazel 1.0」リリース

 ビルドツール「Bazel」開発チームは10月10日、「Bazel 1.0」を公開した。本リリースよりセマンティックバージョニングが導入され、今後リリースされるバージョン1.x系との互換性が保証されている。

 Bazelはソフトウェアのビルドやテストなどを自動化するためのツール。Google社内での開発に利用されていたツールをオープンソースにしたもので、Java、C++、Goなどさまざまな言語で実装されたコードのビルドやテストに利用できる。キャッシュ技術を利用して必要な部分のみを再ビルドしする機能や、依存性分析、並列処理など、ビルドおよびテストを高速に実行するための機能を持つ。対応プラットフォームはWindowsおよびmacOS、Linux。

 Bazel 1.0ではセマンティックバージョニングが導入され、今後リリースされるバージョン1.x系ではバージョン1.0との互換性が保証される。また、メジャーリリースについては安定性確保のため少なくとも3か月間の「stability windows」期間を設けるとしている。

 「genrule」機能などでWindowsとの相互運用性が強化された。また、分散ビルド/テストなどで使われるgRPC接続ではデフォルトでTLSを使用するようになった。C++ではLinuxでThinLTOビルドに対応したほか、Android向けには「aapt2」フラグがデフォルトで有効になった。

 なお、本バージョンでは以前のバージョンとは互換性のない変更も多く加わっている。そのため、旧バージョンの利用者に対しては、Bazel 0.29.1で非互換な変更が予定されている機能を無効にする「–incompatible_」系オプションを指定して実行して確認することを推奨している。

 Bazel 1.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはApache License 2。

Bazel
https://bazel.build/