「Gradle 5.0」リリース、多くの新機能が導入される

 オープンソースのビルドツール「Gradle」開発チームは11月26日、最新版となる「Gradle 5.0」を公開した。Kotlin DSLが正式扱いになり、Java 11ランタイムもサポート。依存性グループに同一バージョンを適用する機能など、多数の強化が加わっている。

 Gradleはオープンソースのビルド自動化システム。Java、Groovy、Kotlinで実装されており、Java、C++、Pythonなどさまざまな言語をサポートする。プラグイン構造を備えるほか、Android Studio、Eclipse、JetBrainsのIDEA、NetBeansといった統合開発環境(IDE)のサポートも利用できる。ライセンスはApache License 2.0。

 Gradle 5.0は、2017年7月に公開したバージョン4.0に続くメジャーリリース。新たに「Gradle Kotlin DSL」(ドメイン固有言語)がバージョン1.0となり、運用環境でも実用的に利用できるという。既存の「Groovy DSL」からのビルドロジックのマイグレーションガイドも用意する。Groovy DSLも継続して提供され、Groovyの柔軟性やダイナミックな機能を求めるユーザーは引き続き利用できる。Java 11ランタイムのサポートも追加され、JDK 11環境でのビルド運用が可能になった。

 依存性グループに対して一貫性のあるバージョンを適用できる機能が導入された。Maven BOMをインポートして、プラットフォームを定義することもできる。

 Gradleビルドを作成するGradle Build Initプラグインも更新された。オプションでインタラクティブ機能を提供するほか、kotlin-libraryとkotlin-applicationプロジェクトタイプが加わった。プロジェクトとパッケージ名のカスタマイズも可能になった。

 タスクのタイムアウト設定や、HTTP経由でリモートにあるリポジトリに接続する際、失敗時にリポジトリをブラックリスト化する前にリトライを行うといった細かな機能強化も導入されている。

 Gradle Docsの検索機能も復活、ユーザーマニュアルとDSLリファレンスを検索できるようになった。Gradle 5.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Gradle
https://gradle.org/