Google、自社が公開している人気オープンソースプロジェクト一覧を発表
Google(米Alphabet傘下)は10月14日、オープンソースプロジェクトの一覧「Google Open Source Report Card」を発表した。Googleのオープンソースプロジェクトで人気があるものを紹介するもので、Android、Chromiumなどおなじみのプロジェクトが並んでいる。
Googleは問題解決にフォーカスするために再度開発するのではなく、オープンソースソフトウェアを利用して迅速かつ効率良く構築することを心がけており、この一環として社内で作業したものをオープンソースで公開することを奨励しているという。これまでに2000万行のコードを公開してきたとしており、この中には就労時間の20%の時間を自分の興味・関心があることに充てて良いという「20%ルール」から生まれたものもあるという。
初の試みとなるOpen Source Report Cardは、この中から人気のあるプロジェクトをピックアップしたものとなる。アルファベット順に並べると、Android、Angular、Bazel、Brotli、Chromium、Closure Tools、Course Builder、Dart、Flutter、Ganeti、Gerrit、Go、gRPC、Google Web Toolkit、Guava、Kubernetes、LiquidFun、Liquid Galaxy、Native Client、Oppia、Polymer、Protobuf、TensorFlow、Tesseract OCR、V8 JavaScript Engine、WebM、Yeoman、ZXingとなる。
Googleは2015年にプロジェクトホスティングサービス「Google Code」を閉鎖し、自社のオープンソースプロジェクトにGitHubを利用している。GitHub上のプロジェクトのサブセットを利用してデータを収集したところ、84以上の組織(チーム)がGitHub上で3499件のレポジトリを作成しているという。このうち773件は2016年に作られた。
よく使われている言語の上位10は、Java、JavaScript、C/C++、Go、Python、TypeScript、Dart、PHP、Objective-C、C#となった。またgoogle.comをアドレスに持つメール情報からGitHub上でGoogle社員がコミットした数を調べたところ、2016年に入ってからのコミット数は14万2527件、2011年からの累計では71万9012件になるという。
Open Source Report Cardに合わせて、2016年に入ってリリースしたプロジェクトとして、Seesaw、Vendor Security Assessment Questionnaire(VSAQ)、OpenThread、Magenta、Omnitone、Science Journal、Cartographerの7つも紹介している。
SeesawはGoで開発されたLinux Virtual Server(LVS)ベースの負荷分散プラットフォーム。VSAQはベンダーのセキュリティ情報の収集を自動化するもので、OpenThreadはNestが公開した家庭のIoTデバイス向けのThreadプロトコルのオープンな実装。Magentaは、TensorFlowをベースに音楽と芸術の領域に機械学習を利用するプロジェクト。OmnitoneはVR向けにWeb Audio APIを利用して3Dオーディオをブラウザで実現するためのもので、Science Journalは学術向けにスマートフォンのセンサーを利用できるもの。Cartographerは、Simultaneous Localization and Mapping(SLAM)向けのライブラリで、2D/3Dに対応しRobot Operating System(ROS)をサポートする。
Open Source Report Card
https://developers.google.com/open-source/projects