「Linuxカーネル 4.20」リリース

 Linuxカーネルの開発を主導するLinus Torvalds氏は12月23日、最新版となる「Linuxカーネル4.20」のリリースを発表した。10月23日に公開されたバージョン4.19からちょうど2か月での最新版リリースとなり、多くの新機能が導入されている。

 ファイルシステム関連ではbtrfsの性能が強化された。F2FS、FUSEといったファイルシステムも強化されている。「PCI peer-to-peer memory」のサポート強化や、taprioトラフィックスケジューラーの導入も行われた。

 コード内からVLA(可変長配列)が完全に削除された。これによりコード移植性が強化され、性能やセキュリティも改善できるという。合わせて新しいデータ構造であるXArraysも導入された。コードのクリーニングも進められている。

 ハードウェアアーキテクチャ関連では、AMD PicassoとRaven 2の両APUを新たにサポート、Vega 20やIntel Icelake Gen 11グラフィック対応などの取り組みも継続した。また、中国の海光(Hygon)によるAMDベースのx86プロセッサ「Hygon Dhyana」や、中国独自のCPU「C-Sky」のサポートも追加された。DRMドライバでも、Raven Ridge向けのVCN JPEGアクセラレーションのサポートなどが加わった。

 なお、Torvalds氏は一時的にカーネル開発から退いており、Linuxカーネル4.19のリリースはGreg KH氏が主導していたが、今回のリリースではLinus氏によるリリースに戻っている。

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