「CUPS 2.3」リリース、新たなライセンスで提供

 UNIX系OS向けの印刷システムCommon Unix Printing System(CUPS)プロジェクトは8月23日、最新版となる「CUPS 2.3.0」を公開した。

 Common Unix Printing System(CUPS)はUNIX系OS向けの印刷システム。Internet Printing Protocol(IPP)をベースにローカルとネットワークプリンターの両方をサポートする。1997年に開発がスタートし、2007年には米Appleがメインの開発者を雇用するとともにソースコードの権利を購入して傘下に収めた。開発は現在もオープンソースで行われている。

 CUPS 2.3は2014年に公開したCUPS 2系の最新版で、2016年9月に公開したバージョン2.2に続くリリースとなる。CUPS 2.3での大きな変更点としては、ライセンスの変更が挙げられる。かつてCUPSはGPLv2でリリースされていたが、2017年にApache License 2へ変更されていた。しかし、プロジェクト外で開発されているCUPS関連技術がGPLv2など別のライセンスを採用しており、それらを統合することが難しかったという。そのためGPL2、LGPL2に例外を加えた新しいライセンスを採用することになった。

 また、機能面では新たにIPPプリンタープリセットとフィニッシュテンプレートをサポートしたほか、ippeveprinterユーティリティが加わった。

 スケジューラーも強化し、グループのメンバーリストとOS固有のメンバー機能の両方を使ってユーザーがグループに所属しているのかを決定するようになった。エラーレベルを使って承認待ちのジョブのログを取るようになったスケジューラージョブクリーンアップのバグ、スケジューラーから不要なコードの削除なども行われている。

 このほか、多数の不具合が修正されている。

CUPS
https://www.cups.org/