「MongoDB 4.2」公開、Wildcard Index導入など

 米MongoDBは8月13日、ドキュメント指向データベースの最新安定版「MongoDB Server 4.2」を一般公開した。

 MongoDBはC++で実装された汎用データベース。事前にデータ構造を定義することなしに利用できるスキーマレスなドキュメントモデルや分散構成が可能といった特徴を持つ。クエリにSQLをしないことから、「NoSQLデータベース」の一種と分類されている。

 MongoDB 4.2は、2018年7月に登場したバージョン4系の最新リリース。6月に開催した自社イベント「MongoDB World」でリリース候補版を公開しており、すでに10万以上のインスタンスが稼動しているという。

 本バージョンでは「Wildcard Index」を導入した。様々なデータが混じった構造のデータベースに対し、フィルタを定義することで自動的にマッチするフィールドやサブドキュメント、列をインデックスできるという。また、「Distributed Transactions」として、MongoDBのマルチドキュメントトランザクションを拡張し、シャードクラスタで利用できるようになった。

 データの集約パイプラインで新しいデータを処理する「On-Demand Materialized Views」も新機能となる。新たに実装された「$merge」演算子を利用するもので、大規模な集約の出力をキャッシュすることで、よく使われるアナリティクスクエリの性能を強化するという。

 これらに加えてクエリ言語も強化したほか、セキュリティではmongod、mongos、mongo shellでTLSオプションを導入した。合わせてSSLオプションは非推奨になった。また、MMAPv1 Storage Engineを削除した。合わせて固有のパラメータやコマンドも削除されている。

 MongoDB開発チームは2018年秋にライセンスを変更しており、4.2はServer Side Public License(SSPL)の下で公開される。

 MongoDBは無償のCommunity Serverと有料のEnterprise Serverがあり、ダウンロードして自分のインフラで動かすことができるほか、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)といったクラウドサービスで運用するための有料サービス「MongoDB Atlas」や、Kubernetes上でのデプロイ・管理サービス「MongoDB Enterprise Operator for Kubernetes」も提供されている。

MongoDB
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