Intel CETをサポートした「GNU C Library 2.28」公開

 GNU C Library(glibc)開発チームは8月1日、GNUによる標準Cライブラリ実装「GNU C Library(glibc) 2.28」公開を発表した。Intel CETサポート、Unicode 11.0対応などの機能強化が加わった。

 GNU C LibraryはGNUプロジェクトによる標準Cライブラリ実装。GNUソフトウェアやLinuxカーネルなどで使用されるコアライブラリで、ISO C11、POSIX.1-2008、BSDなどに関連する重要なAPIを提供する。ISO C11、POSIX.1-2008、IEEE 754-2008などの標準に準拠する。今年で30周年を迎える古いプロジェクトでもある。

 GNU C Library 2.28は、2月に公開したバージョン2.27に続く最新版。Intelのセキュリティ機能「Intel CET(Intel Control-flow Enforcement Technology)」をサポートした。CETを有効にしてライブラリを構築した場合、そのglibcは間接的ブランチ追跡、シャドウスタックで保護される。既存の実行コードや共有ライブラリとの互換性もある。Intel CETのサポートは現在、GCC 8とbinutils 2.29以降が動くi386/x86_64/x32に対応する。

 Unicode 11.0.0をサポートした。数学関数のmath.hも強化した。ABSOLUTEのサポートも修正した。また、renameatの変種であるrenameat2関数、それにstatxが加わった。ISO Cスレッド(ISO/IEC 9899:2011)も利用できるようになった。

 このほかにも細かな機能強化が加わった。非推奨の機能が削除され、バグも修正された。

GNU C Library
https://www.gnu.org/software/libc/