Unicode 8に対応、「GNU C Library 2.23」が公開

 GNUプロジェクトによる標準Cライブラリ実装「GNU C Library(glibc)」開発チームは2月22日、「GNU C Library 2.23」を公開した。Unicode 8のサポートなどの機能が加わっている。

 GNU C Library(glibc)は、Linuxなどで広く使われているフリーのCライブラリ。高い移植性と性能を目標とし、ISO C11、POSIX.1-2008などの標準に準拠する。

 glibc 2.23は2015年8月に公開したglibc 2.22に続く最新版。Unicode 8.0.0をサポート、文字のエンコードや型情報、トランスリテレーションテーブルなどもアップデートされた。ビルドのためのGCCの最小要件は4.7だが、glibcを使ったプログラムのコンパイルでは、それ以前のGCCやGNU以外のコンパイラも利用できるという。

 getaddrinfoで、内部Netlinkソケット上の一部の無効なレスポンスを検出するようになった。また、zic、zdump、tzselectなどタイムゾーンに関連したツールの構築とインストールを無効化するオプション設定ができる—disable-timezone-toolsが加わった。glibcとは独立したタイムゾーンデータとコードを構築する場合に有用としている。

 一方で、bdflush、create_module、get_kernel_symsなどの古い機能やuselibは新たにリンクしたバイナリには含まれておらず、sys/kdaemon.hヘッダファイルも削除あれた。また、regexp.hも削除されている。regexp.hが必要なプログラムはregex.hを利用するようにアップデートする必要があるとしている。

 これらに加えて、hcreateおよびhcreate_rにおける整数オーバーフローなどセキュリティ関連の変更、バグの修正も加わった。

GNU C Library
http://www.gnu.org/software/libc/