「NumPy 1.17」リリース
Pythonの数値計算ライブラリNumPy開発チームは7月26日、最新版となる「NumPy 1.17.0」を公開した。
NumPyはPythonで多次元配列やさまざまな数学的処理を実行するためのパッケージ。多次元配列を扱うためのオブジェクトや、C/C++とFortranコード統合のためのツールなどを備える。ライセンスはBSDライセンス。
NumPy 1.17は1月に公開されたバージョン1.16に続く最新版で、Pythonはバージョン3.5~3.7をサポートする。Python 2.7のサポートは終了された。Python 3.8ベータ2については現在のパッケージで動くが、将来のリリースについての動作保証はないという。
バージョン1.17では新たに拡張可能なrandomモジュールが加わった。選択可能な乱数生成子も4種類用意し(MT19937、PCG64、Philox、SFC64)、並列処理での使用向けのシードも強化した。レガシーの乱数モジュールについては変更されておらず、結果も変わらない。
FFT実装がfftpackからpocketfftに変更となり、速度と精度が改善した。また、新しい基数ソートとtimsortを実装し、radix sortに代わって用いられるようになった。
また、numpy関数のオーバーライドがデフォルトで可能となり、__array_function__を常時チェックするようになった。
そのほか、線型計算ライブラリ「LAPACK」の実装としてlibFLAMEを利用できるようになった。また、disutilsでは使用するLAPACKライブラリ実装を環境変数で指定できるようになった。
このほかにも細かな機能が多数加わっている。また、numpy.distutils.exec_command、temp_file_nameなどいくつかの機能が非推奨となっている。
NumPy
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