SQL互換のHTAP向け分散データベース「TiDB 3.0」リリース

 オープンソースの分散型データベースプロジェクト「TiDB」開発チームは7月1日、最新のメジャーリリース版となる「TiDB 3.0」の一般公開(GA)を発表した。

 TiDBは中PingCapが開発を進めるオープンソースのデータベースシステム。Apache License 2.0で公開されている。Hybrid Transactional and Analytical Processing(HTAP)ワークロードをサポートするデータベースで、MySQLプロトコルと互換性がある。Google F1、Google Spannerから着想を得たもので、水平方向の拡張性、クラウドネイティブ、高可用性などの特徴を持つ。OLTPとOLAP両方のソリューションを目指し、「Amazon Aurora」の代替と位置付けている。

 TiDB 3.0は2018年4月に公開したバージョン2.0に続くメジャーリリース。これまでストレージレイヤーにTiKVを利用していたが、3.0よりカラムベースのTiFLASHを導入した。TiFLASHは現在ベータ段階で、TiKVとの併用になる。

 安定性では、分散合意アルゴリズムRaftレプリカ間のハートビートを最適化し、Regionの活発度にハートビートの頻度を合わせることで、クラスタへのコールドデータのプレッシャーを削減した。ホットRegionスケジュールの設定でサポートするパラメーターが増えたほか、分散ガベージコレクタ(GC)をサポートすることでGCの性能も改善した。

 性能では、TiDB 2.1と比較してSysbenchにおけるPoint Select、Update Index、Update Non-Indexのベンチマークがすべて約1.5倍改善した。TPC-Cでは4.5倍の性能を記録したと報告している。

 このほか、役割ベースのアクセス管理を実験導入したり、クエリプランの安定性を強化するなど、細かな機能が多数加わっている。

TiDB
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