米Oracleの多言語対応仮想マシン「GraalVM 19」リリース

 Oracleが開発を主導する仮想マシン「GraalVM」プロジェクトは5月10日、最新安定版となる「GraalVM 19.0」を公開した。運用環境向けとしては初のリリースと位置付けており、Community EditionをプロジェクトのWebサイトより入手できる。

 GraalVMは様々な言語で書かれたアプリケーション向けの仮想マシンで、米Oracleの下で開発が進められている。Java、Scala、KotlinなどのJava VM系言語やJavaScript、Python、Ruby、R、C、C++などLLVMベースの言語をサポートする。プログラミング言語間で相互運用性のある共有ランタイムを提供し、スタンドアロンだけでなくOpenJDK、Node.js、Oracle Database、MySQLなどのOracle技術と併用できる。

 これまでリリース候補版(RC)がリリースされてきたが、GraalVM 19は初の運用環境向けリリースとなる。Java 8 SE準拠のJVM、JavaScript EngineとNode.js Runtime、LLVM Engine、それに開発ツールを含む。

 JavaはJDKが8u212にアップデートされた。JavaScript、R、Rubyなどではバグ修正などの強化が加わった。

 Native Imageを抽出し、アーリーアダプター向けのプラグインとして提供する。Native Imageではクラスの初期化の方法が変更され、デフォルトでランタイムでアプリケーションクラスを初期化するようになった。

 アーリーアダプター向けとしてWindows向けビルドも用意する。GraalVMコンパイラが有効になったJDK、Native Image、GraalVMのJavaScriptエンジン、それにChromeインスペクタ、プロファイラなどの開発ツールを含む。

 GraalVMは、無償のCommunity Editionのほか、Oracleから有償のEnterprise Editionも提供されるという。

GraalVM
https://www.graalvm.org/