米Oracle、多言語対応かつ高速な仮想マシン「GraalVM」を発表
米Oracleは4月17日、仮想マシン実装「GraalVM」を発表した。高速、多言語対応を目指すもので、JavaScript、Python、Ruby、R、Java仮想マシンベースの言語やLLVMベースの言語などで書かれたアプリケーションを実行できるという。
GraalVMはOracle Labsで開発された新しい仮想マシン。「現在の仮想マシンは特定の言語のみに高性能な実行環境を提供している」と現状を指摘しており、あらゆるプログラミング言語に対して高性能な実行環境を提供することを目指して開発されているという。プログラミング言語間の隔離を取り除き、共有ランタイムで相互運用性を実現することを目標とする。
言語に依存しないことが特徴で、データ構造を「言語の境界」で変換するのではなく、オブジェクトや配列といった構造を直接さまざまな言語で使用できるようにすることで高い性能も実現するという。
同日公開したバージョン1.0では、Java仮想マシン(JVM)ベースの言語(Java、Scala、Groovy、Kotlinなど)、JavaScript(Node.jsを含む)、LLVMバイトコード(C/C++/Rustなどで書かれたプログラムより生成されたもの)をサポートする。実験的サポートとして、R/Python/Ruby/LLVMも使用できる。
GraalVMは単体で利用できるほか、OpenJDKやNode.jsなどの一部としても使用できる。MySQL、Oracle RDBMSなどのデータベースに組み込んで実行することも可能。アプリケーションは標準化されたGraalVM実行環境によりスタックに実装できる。
GraalVM
http://www.graalvm.org/