SUSE、モジュラー化を進めた「SUSE Linux Enterprise 15」を発表。提供は7月中旬

 SUSEは6月25日(ドイツ時間)、Linuxディストリビューション「SUSE Linux Enterprise 15」を発表した。7月半ばに提供を開始する。合わせて、「SUSE Manager 3.2」「SUSE Linux Enterprise High Performance Computing 15」も発表した。

 SUSE Linux Enterprise 15は、2014年秋に公開されたSUSE Linux Enterprise 12に続く最新版。Linuxカーネルはバージョン4.12をベースとし、対応アーキテクチャはAMD64、x86_64、Power、IBM Z。

 ソフトウェア定義インフラストラクチャなどの技術トレンドに合わせて共通のコードベースに基づくモジュラー化を進め、ITインフラの効率化を図れるとする。ベースシステムの「Base System」、Dockerやツールを含む「Containers」、基本的なデスクトップ機能「Desktop Applications」、オフィス機能「Workstation Extension」、アプリケーション開発を含みSLE SDKの代替となる「Development Tools」、Hawkなどの高可用性ツールを含む「High Availability」、高性能コンピューティングの「High Performance Computing」、Webサーバーなどの「Server Applications」などのモジュールがある。各モジュールはそれぞれのライフサイクルを持ち、頻繁にアップデートされる。ユーザーは必要な機能をインストールして使うことができる

 ライブパッチング、高可用性、ワークステーションなどの拡張を提供し、拡張のリポジトリはAutoYaSTで処理する。

 SUSE Linux Enterprise 15の変更点としては、Python 3のフルサポートが加わった。セキュリティでは、SuSEFirewall2はfirewalldに置き換わり、AppArmorではプロセスを制限する機能が加わった。

 ネットワーク関連ではOpen vSwitchがバージョン2.8になり、システム管理ではSAPモジュールの導入、UEFI HTTPS Bootのサポートなどが加わった。ディレクトリではDirectory Serverに代わってOpenLDAPを提供する。

 仮想化ではKVM、Xen、libvirtなどがそれぞれ強化され、ストレージ、性能関連でも強化が加わった。このほか、SMT(Subscription Management Tool)はRMT(Repository Mirroring Tool)になった。qemu-kvmラッパーはデフォルトではインストールされず、QEMUをqemu-system-ARCHバイナリから直接使う。

 インストールでは「Unified Installer」としてすべての製品を同じインストーラーからインストール可能になった。openSUSE Leap 15からSUSE Linux Enterprise Server 15へのマイグレーションもサポートする。

SUSE Linux Enterprise 15は10年間のGeneral Supportと3年間のExtended Supportと、合計で13年のライフサイクルを持つ。バージョン15は、次期SUSE Linux Enterprise Server 15 SP1公開の後、6ヶ月間はフルサポートを受ける。

 SUSE Linux Enterprise Server 15とSUSE Manager 3.2は既存の提供方法に加え、Amazon Web Service、Google Cloud Platform、Microsoft Azureでも利用できるようにするという。

SUSE
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