「DragonFly 5.4」リリース、GCC 8がデフォルトに

 DragonFly BSD開発チームは11月3日、「DragonFly 5.4.0」を公開した。デフォルトのコンパイラがGCC 8となるなどの強化が加わっている。

 DragonFly BSDはBSD系のUNIX OSで、FreeBSD 4.8からフォークして生まれたプロジェクトとして2003年に開発が開始された。他のBSD系OSとは一部の古いコードを共有する一方で、高性能ファイルシステム「HAMMER」が利用できるといった特徴がある。

 DragonFly BSD 5.4は、2017年10月に公開されたDragonFly BSD 5系の最新版となる。本バージョンでは、デフォルトのコンパイラがGCC 5からGCC 8にアップグレードされた。GCC 4.7.4/5.4.1も引き続きサポートする。

 NUMA(Non-Uniform Memory Access)設定のサポートを改善した。メモリサブシステムとスケジューラーがThreadripper 2990WXのアーキテクチャを認識できるようになり、スケジューラーはダイレクトアタッチドのメモリでCPUノードの優先順位づけを行うなどの強化が加わった。

 SMPとの親和性を強化するなど性能改善に向けた取り組みも進めた。HAMMER 2では不具合修正などの強化が加わり、ノンクラスタモードでも推奨のデフォルトルートファイルシステムとなった(クラスタはまだサポートしていない)。

 また、独自のサードパーティソフトウェアシステムであるdportsも強化した。ネットワーク関連では、DHCPクライアントの実装であるdhcpcdをベースシステムに追加した。将来的に、dhclinetとrtsoldをリプレースするという。ネットワークデバイスドライバ、仮想マシンドライバ、RadeonとDRMのグラフィックドライバ関連なども強化されている。

 DragonFly 5.4はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

DragonFly BSD
https://www.dragonflybsd.org/