ソースコード管理システム「Apache Subversion 1.11.0」リリース、スナップショットを保存できる「コミットチェックポイント」を導入

 Apache Subversion開発チームは10月30日、ソースコード管理システムの最新版となる「Apache Subversion 1.11.0」を公開した。コミットしていない変更についてスナップショットを保存できる「コミットチェックポイント」機能が実験的に導入されている。

 Apache Subversion(SVN)はソースコードのバージョン管理などを行うソースコード管理システム。元々は米CollabNetが開発を主導していたが、2009年にApache Software Foundation(ASF)に移管されASF傘下のプロジェクトとして開発が続けられている。

 Apache Subversion 1.11は4月に公開したバージョン1.10に続く最新版。コミットしていない変更のスナップショットを保存する機能「コミットチェックポイント」を実験的に導入した。必要に応じてワーキングコピーに保存した変更を反映できるもので、1.10で実験的に導入された一時的にコミットしていない変更を一旦棚上げ(保留)するシェルビング(shelving)機能を強化するものとなる。同機能は実験的位置付けて、今後1.11系のマイナーリリースを経る中で大きく変更する可能性があり、後方互換性がない点を注意している。

 シェルビング機能も強化され、一部の変更の処理を改善した。バイナリファイルとプロパティ値をサポートし、複製や移動など処理できないステートを検出時はシェルビング/アンシェルビング共に実行されない。シェルビングは1.11でも実験扱いであり、今後大きく変更する可能性があるという。1.10で作成したシェルブとの互換性もないと注意している。

 対話的に競合(コンフリクト)を解決できるリゾルバ機能を強化し、移動したファイルとディレクトリが関係するコンフリクトの解決も試みるようになった。ローカルにないアイテムとして報告していたツリーコンフリクトが自動で解決できるという。

 現在のワーキングコピーを記述するViewスペックのアウトプットコマンドも実験導入した。各サブツリーが異なるURLに切り替わった、異なるリビジョン番号に更新されたなどを記述し、親ディレクトリと比較できるという。

 このほか、細かな機能強化が加わり、バグも修正されている。

Apache Subversion
http://subversion.apache.org/