「Apache Subversion 1.10」リリース、LZ4圧縮をサポート
Apache Subversion開発チームは4月16日、バージョン管理システム「Apache Subversion 1.10」を公開した。LZ4圧縮をサポートしたほか、パスベースの認証やツリーコンフリクトリゾルバが改善されている。
Apache Subversionは集中型のバージョン管理システム。元々はCollabNetが開発していたが、同社がApache Software Foundation(ASF)に寄贈したことから現在はASFのプロジェクトとして開発が進んでいる。
Apache Subversion 1.10は、2015年に公開されたバージョン1.9に続く最新版となる。パスベースの認証の実装が新しくなり、性能とワイルドカードのサポートを強化した。既存のauthzルールはリポジトリ固有/グローバルの2種類となる。新しいauthzルールパーサーは、パスエレメントにワイルドカードを含むルール形式2種を使うことができる。
ツリーコンフリクトを解決するリゾルバも新しくなった。バージョン1.5で実装したリゾルバを完全に書き直したもので、リポジトリの履歴を検索して、追加、変更、複製、移動など構造的変更を見る。リビジョン番号や作者名など、競合する情報について詳細な情報を表示するようになるなど、様々な機能が加わっている。ツリーコンフリクト解決を自動化できるオプションも提供するという。
LZ4圧縮のサポートが加わり、zlib圧縮の代わりに利用できるようになった。LZ4は高速に圧縮と回答ができることから、LZ4利用により性能を改善できるとしている。
実験的機能として、一時的にコミットしていない変更を一旦棚上げ(保留)するシェルビング(shelving)も導入した。ほかの作業を進めた後で、棚上げした変更を作業コピーに戻すことができるという。
このほか、コマンドラインクライアント(svnコマンド)やサーバーサイドなどで多数のバグ修正と細かな機能強化が加わった。
Apache Subversion 1.10はプロジェクトのWebサイトより入手できる。開発チームによると、1.10はそれ以前のクライアントとサーバーの両方で相互運用性があるが、一部の機能は両方ともに1.10でなければ使えない場合があるという。
Apache Subversion
http://subversion.apache.org/